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教育や道徳の前に、まず民を飢えさせないこと
孟子は、歴代の明君(賢明な王たち)の基本姿勢についてこう述べます: 「明君たちは、まず民の“産”――生活手段を安定させる政策を行った。上を見ては親に仕えられ、下を見ては妻子を養うことができるようにし、豊作の年には長く飽きるほどの生活を保障し、... -
安定した暮らしがなければ、安定した心も育たない
宣王は、孟子の助言を受けて率直にこう語ります。 「私は愚かで、仁政の道をすぐに実践できるとは思わない。だが、志はある。どうかその志を助け、明確に教えてほしい。愚か者ではあるが、何とか一つ試してみたいのだ」 この謙虚な姿勢に対して、孟子は本... -
仁政を行えば、天下は自然と集まる
孟子は、武力による支配を否定した上で、仁をもって政治を行えば、民は自ずから集まると説きます。 そして、「王がもし仁政を施せば…」と仮定し、次のような具体的な未来像を描きます: 天下の人々の心を引き寄せる「仁の吸引力」 仕官希望者(=優れた人... -
誤った手段は成果を遠ざけ、やがて破滅をもたらす
前節で、孟子は「王の覇道への欲望は、まるで“木に登って魚を求めるようなもの”」と比喩しました。 それを受け、王は問います。 「それほどまでに、誤った方法というのは恐ろしいものなのか?」 孟子は答えます。 「いいえ、それよりもさらに悪いことです... -
木に登って魚を捕ろうとするような、誤ったやり方では何も得られない
孟子は、王に問いかける。 「王よ、戦争を起こして家臣の命を危険にさらし、諸侯から憎まれ、その末に得るものに、果たして心が満たされているのですか?」 王は正直に答える。 「いや、快くなどない。だが、私は“自分の大きな欲望”を果たしたいから、やむ... -
思いやりは「内から外へ」――そして、常に自分の心を測り直すこと
孟子は、王にこう語る。 「まずは、自分の老いた親を敬うように、他人の親も敬う。自分の子を慈しむように、他人の子も慈しむ。それができれば、天下を治めることなど、自分の掌の上で物を転がすようなものです」 これは、身近な者への思いやり=仁の心を... -
やらないことを「できない」と言ってはならない
斉の宣王が問いかける。 「“やらない”ことと“できない”ことは、どう違うのか?」 この率直な疑問に対し、孟子は二つの具体例を示して答える。 比喩① 泰山を抱えて渤海を飛び越える(=できないこと) 「もし誰かが泰山をわきに抱えて、渤海を飛び越えよう... -
「できない」のではない。「やろうとしない」だけである
「できるのに、やらない――“力”より“意志”が成果を決める」 孟子は斉の宣王に問いかける。 「もし誰かが、『私は百鈞もの重い物は持ち上げられるのに、鳥の羽一枚は持ち上げられません』とか、『秋に生えた動物の細毛の先端まで見えるのに、車いっぱいの薪... -
たとえ一つで、人の心は解きほぐれる
孟子は、王が牛を羊に代えた行為の中に「仁の心」があることを明言する。 「王が牛を見たからこそ、忍びざる心が起きたのです。羊は見ていなかったのです」 そして、孟子は**“君子と禽獣”の関係**というたとえを持ち出す: 「君子は、生きている獣を見ると... -
自分の“良心”を肯定されたとき、人は耳を傾け、笑顔になる
「見えぬ“心”が、行動の意味を変える──共感と真意が信頼を育む」 孟子は、前章で語った“牛を羊に代えた話”の真意を探る中で、王の中にある「忍びざる心(=他者の苦しみを見過ごせない心)」に光を当てた。 すると斉の宣王は、それを受けて正直に答える。 ...