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大勇とは、天下の横暴を怒り、民を救う決意である
孟子はさらに続けて、真の勇気――すなわち「大勇」の本質を説いた。 彼は古典『書経』の一節を引用し、周の武王の言葉を紹介する。 「天は民を地上に下し、彼らを導くために君主を立て、師(導き手)を置いた。上帝(天帝)は彼らにこう命じた――“我を助けよ... -
刀に手をかけるのは匹夫の勇、民を安んずるのが王者の大勇
孟子の言葉に感銘を受けた斉の宣王は、こう告白した。「なるほど先生のお言葉は立派だ。しかし、私は一つの“持病”がある。それは“勇”を好むことだ」 孟子は即座に応じた。「王よ、もし勇を好まれるのであれば、どうか“小勇”ではなく“大勇”をお好みください... -
仁者は天を楽しみ、智者は天を畏れる——礼をもって交わる者が国を保つ
斉の宣王は問うた。「隣国とどのように交わればよいか、良い方法があるだろうか」孟子は即座に答える。「あります」 そして語り始めた。ただ仁徳のある者だけが、自国が大国であっても、傲慢になることなく、小国に対して礼をもって交わることができる。 ... -
民の声は誤らない——その不満には理由がある
孟子は、自らの経験を引き合いに出して語る。 「私が最初に斉の国境に着いたとき、まず確認したのはこの国における最も重い禁令でした。なぜなら、どんな掟があるかも知らずに国に入るのは無謀だからです」 そして聞いたのは衝撃的な事実だった。「斉の国... -
民と共に使えば「小さい」と言われ、独占すれば「大きすぎる」と非難される
斉の宣王は、かつての理想的な君主・周の文王の狩り場について問うた。「文王の狩り場は、なんと七十里四方もあったそうだが、それは本当か?」 孟子はうなずき、こう答える。「伝えによれば、確かにそうです」王は続けて言う。「それほど広かったのか!」... -
民と喜びを共にする者こそ、真の王に近づく
孟子は語る。もし王が音楽を奏でているとき、民がその音色を聞いて心から喜び、互いに言い合うようであれば——「我が王はお元気にちがいない。でなければ、あれほど楽しげに音楽を奏でることなどできまい」と。 また王が狩りに出かけたとき、民がその華やか... -
自分だけが楽しむ王に、民は苦しみを覚える
音楽を好む王が、もしその喜びを民と分かち合わず、ただ自らの楽しみのために用いるのであれば――それは、民が苦しむ政治のしるしに他ならない。 孟子は、王が演奏を楽しんでいるときに民がどのように感じるかを描写する。彼らは鐘や太鼓、笛の音を聞いて頭... -
一人で楽しむより、皆で楽しむ音楽に心が向くなら、その王は仁政に近づいている
ある日、孟子は王に直接たずねた。「以前、荘暴に音楽を好むとおっしゃったそうですね」。王は恥ずかしげに答えた。「私は先王たちが用いたような由緒ある音楽を愛しているわけではなく、ただ今の流行の音楽が好きなだけなのだ」。 それを聞いた孟子は、「... -
音楽を愛する王は、民を和らげ、国を治める道を開く
王が音楽を好むと聞いて、家臣の荘暴は判断を迷った。しかし孟子は、王が心から音楽を好むのであれば、斉の国がよく治まる兆しと断言した。 ここでの「音楽」は単なる娯楽ではない。それは「和」をもたらす力であり、礼とともに人の心と社会を調和させる文... -
豊かな生活基盤と教育が、王者への道をつくる
孟子は、仁政を実現するための政策を次のように具体的に提示します。これは、実現可能で段階的な国家ビジョンであり、理想論ではなく施策提言です。 ① 基本的な生活の保障 孟子は、以下の三点を挙げて、老いても穏やかに暮らせる社会のモデルを描きます: ...