未分類– category –
-
間違いを正すには、知と礼を尽くした言葉で
― 恩師を思う心が、王の誤解を解く力になる 前項では、魯の平公が側近の臧倉の言葉をうのみにして、孟子に会うのを取りやめてしまった場面が描かれました。この章では、それを見た孟子の高弟・**楽正子(がくせいし)**が、毅然として諫言に立ち上がります... -
軽々しく周囲に流される者に、リーダーの器はない
― 決断すべき時に他人の口を伺うなかれ 魯(ろ)の平公が、馬車の用意を整えて出かけようとしていた。それを見た取り巻きの臧倉(ぞうそう)が問うた。 「君がお出かけの際は、いつも有司(役人)に行き先を命じられていたのに、今日はその命が下されてい... -
自らを守るために、民を犠牲にしてはならない
― 君子は民を「手段」にせず、「共にある」ことを選ぶ 文公が孟子に訴えた。「我が国は小国であり、力を尽くして大国に仕えても、圧迫や侵略を免れられません。どうしたらよいでしょうか?」 孟子は、かつて周の大王(文王の祖父)が体験した歴史を語る。... -
善を貫くことが、未来をひらく道となる
― 困難の中でも、為政者は仁を選び、徳を積むのみ 文公が孟子に問うた。「斉が、我が国の近くにある薛(せつ)を占領して城を築こうとしています。私はこのことを大いに恐れています。どう対処すべきでしょうか?」 これに対し孟子は、かつて周の大王(文... -
小国が生き残る道は、民とともに仁を守ること
― 勢力に屈するな、まず民の心を得よ 某国の文公が孟子に尋ねた。「我が国は小国であり、強大な斉と楚に挟まれている。どちらに仕えるべきか?」 これは古今東西の小国が直面するジレンマ――「独立か、従属か」という問題である。孟子は即座に、「それは私... -
結果に怒る前に、自らを省みよ
― 民が心を離したのは、上に立つ者の怠りである 鄒と魯の戦で敗北した鄒の穆公が、兵卒たちの裏切りのような態度に困惑していたのに対して、孟子はその原因を民ではなく「君主自身の政治」にあると指摘する。 「凶年や飢饉の年には、老人や子どもが溝に倒... -
心が離れた軍は、いくら兵を揃えても勝てない
― 統率がなければ、兵は将のために命を賭けない 鄒(すう)の国が隣国の魯(ろ)と戦い、敗北した。鄒の穆公は、その敗戦について孟子に意見を求めた。 「我が軍の将校(三十三人)が戦死したにもかかわらず、民出身の兵士たちは一人も命を落としていない... -
戦の勝利ではなく、仁政こそが真の支配の鍵
― 民を救う旗印で入って、民を傷つけてはならない 孟子は、斉の宣王に再び強く訴える。燕の国を攻めた斉の軍は勝利し、燕の民は暴政からの救済を期待して、食べ物や飲み物を持って王の軍を歓迎した。彼らは、王が自分たちを「水火の苦しみ」から救ってくれ... -
正義ある統治に、恐れは要らぬ
― 民の心を得た国に、外敵は及ばない 斉が燕を討ち、領土を取ったことにより、諸侯たちは斉の強大化を警戒し、連合して燕を救おうとし始めた。この情勢に対し、宣王は孟子に問う――「これから多くの諸侯が我が国を攻めようと謀っている。どう対応すればよい... -
民の心が伴わぬ統治は、必ずや災いを呼ぶ
― 「取る」か「取らぬか」は、民の意思によって決まる 斉が燕を打ち破ったあと、宣王は「燕を取るべきか」と孟子に問うた。それに対して孟子は、戦勝による領土支配の可否を、民意の有無によって判断せよと説いた。 もし、燕の民が斉の統治を喜び、歓迎す...