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志が定まらないうちは、禄(ろく)を受け取るべきではない
孟子が斉を去り、休(きゅう)という地に滞在していたとき、弟子の**公孫丑(こうそんちゅう)**が問うた。 「先生は斉に仕えながらも、禄(給料)を受け取られませんでした。これは、古の聖人の伝統に則ってのことでしょうか?」 この問いに対し、孟子は... -
志ある者は、憂うことはあっても、不機嫌にはならない
孟子が斉を去る道中、弟子の**充虞(じゅうぐ)**がこう問いかけた: 「先生はどこか不機嫌そうな顔をなさっておられます。以前に先生は『君子とは、天を怨まず、人を責めず』と教えてくださいました。にもかかわらず、今のご様子はまるで憂いを帯びている... -
志を果たせず去る時も、礼と敬意を失わないのが君子の道
斉を去った孟子の行動を非難した尹士の言葉を聞いて、孟子は静かにこう語った。 「あの尹士に、私の心がわかるはずがない。千里の道を越えて王に会いに行ったのは、私が心から望んでいたことだ。だが、王と私の志が合わなかったために去った――それは私が望... -
どんなに誠を尽くしても、悪く言う者は必ず現れる
孟子が斉を去ったあと、斉の家臣である**尹士(いんし)**という人物が、孟子の行動を批判した。 彼はこう言った: 「斉の王に王道の器がない(湯王・武王のような偉大な王者になれない)ことがわからずに来たのなら、孟子は先が見えない愚者だ。もし知っ... -
誠意は言葉ではなく、行動と覚悟で示すもの
孟子は、斉の王に見切りをつけて斉を去る決意をし、途中の昼(ちゅう)という村に宿泊していた。そこへ、孟子の去国を止めようとする者が現れた。彼は孟子のもとに赴き、熱心に話し始める。だが孟子は返答せず、脇息(きょうそく)にもたれて寝たふりをし... -
市場とは本来、公平な交換の場であり、独占は社会を壊す
孟子は、前項で語った“志はお金で買えない”という姿勢をさらに押し進め、「龍断(ろうだん)=利益の独占」がいかに卑しく、許されざる行為であるかを語る。ここでは、経済の原点としての市場の倫理性が論じられている。 孟子によれば、古代の市場(いちば... -
志を金銭で買おうとすることこそ、最大の侮辱である
孟子が辞職して帰郷した後、斉王は改めて弟子の時子を通じて、孟子に莫大な禄(万鐘)と名誉を提供する意向を伝えさせた。その王の思いを弟子の陳子が孟子に伝えると、孟子はこう語る: 「そうか、それはわかった。だが時子には、なぜ私を引き止められない... -
人を変えようとする努力にも、見切りをつける覚悟が必要である
孟子は、斉の王の客卿として長年「王道政治」の実現を説いてきたが、斉王はなかなかそれに従おうとしなかった。そのため、孟子はついに自ら官を辞し、故郷に帰った。 すると、これまでどこか軽んじたような態度を見せていた斉王が、わざわざ孟子の家を訪れ... -
過ちを認めて改めるのが君子であり、それを誤魔化すのは小人である
燕の混乱と斉の失政に関して、孟子を弁護しようとした佞人・**陳賈(ちんか)**は、前章で周公の事例を引き合いに出して斉王の非を軽くしようとした。それを受けて、彼は孟子に直接問いかける: 「周公とは、どのような人物ですか?」孟子は「古の聖人であ... -
ごまかしの弁解は、真の反省を遠ざける
燕の人々が斉に反旗を翻した。これは、孟子がかねてから斉王に忠告していた“燕を正しく治めよ”という助言を無視した結果であった。 事態が悪化したことで、斉王はさすがに後悔の念を口にする。「私は孟子に対して非常に恥ずかしく思っている」と。この率直...