未分類– category –
-
市場とは本来、公平な交換の場であり、独占は社会を壊す
孟子は、前項で語った“志はお金で買えない”という姿勢をさらに押し進め、「龍断(ろうだん)=利益の独占」がいかに卑しく、許されざる行為であるかを語る。ここでは、経済の原点としての市場の倫理性が論じられている。 孟子によれば、古代の市場(いちば... -
志を金銭で買おうとすることこそ、最大の侮辱である
孟子が辞職して帰郷した後、斉王は改めて弟子の時子を通じて、孟子に莫大な禄(万鐘)と名誉を提供する意向を伝えさせた。その王の思いを弟子の陳子が孟子に伝えると、孟子はこう語る: 「そうか、それはわかった。だが時子には、なぜ私を引き止められない... -
人を変えようとする努力にも、見切りをつける覚悟が必要である
孟子は、斉の王の客卿として長年「王道政治」の実現を説いてきたが、斉王はなかなかそれに従おうとしなかった。そのため、孟子はついに自ら官を辞し、故郷に帰った。 すると、これまでどこか軽んじたような態度を見せていた斉王が、わざわざ孟子の家を訪れ... -
過ちを認めて改めるのが君子であり、それを誤魔化すのは小人である
燕の混乱と斉の失政に関して、孟子を弁護しようとした佞人・**陳賈(ちんか)**は、前章で周公の事例を引き合いに出して斉王の非を軽くしようとした。それを受けて、彼は孟子に直接問いかける: 「周公とは、どのような人物ですか?」孟子は「古の聖人であ... -
ごまかしの弁解は、真の反省を遠ざける
燕の人々が斉に反旗を翻した。これは、孟子がかねてから斉王に忠告していた“燕を正しく治めよ”という助言を無視した結果であった。 事態が悪化したことで、斉王はさすがに後悔の念を口にする。「私は孟子に対して非常に恥ずかしく思っている」と。この率直... -
言葉には責任が伴う──問われた場に応じて語るべき「道理」の重さ
燕の国が、斉によって討たれた。ある者が孟子に問う。「先生が斉に、燕を討てと勧めたそうですね。本当ですか?」 孟子はこう答える。「私は燕を討てと“勧めて”はいない。沈同が『燕は討つべきでしょうか?』と聞いたので、私は『討つべきだ』と答えた。だ... -
個人的な問いであっても、道に背くことにははっきりと異を唱える
斉の臣・沈同が孟子に対し、「これは私的な質問です」と前置きをしつつ、こう尋ねた。「燕は討つべきでしょうか?」 孟子はためらうことなく答える――「討ってよい」ただしそれは単なる好戦的な判断ではなく、礼と道義に照らした上での、明確な理由に基づい... -
葬儀は形式ではなく、親を思う子の心を表すものである
弟子・充虞から「棺が立派すぎたのでは」と問われた孟子は、それに対して丁寧に自身の考えを語った。 孟子によれば、古代には棺や椁(外棺)に寸法の決まりはなかった。しかし時代が下るにつれて、棺は厚さ七寸、椁はそれに見合うようにという基準が定めら... -
本当に尊敬できる師とは、疑問をぶつけることのできる相手である
孟子が斉の地で客卿として仕えていたとき、母が斉で亡くなった。孟子は故郷である魯に帰り、母を手厚く葬った。その帰路、嬴という村でしばし休んだ際、弟子の充虞(じゅうぐ)が恐る恐るこう尋ねた。 「先日、愚かな私をも信じて、先生は棺を作る仕事を任... -
人には役割があり、それを越えて干渉しないこともまた賢さである
孟子が斉の国で客卿として仕えていたある時、王の命によってある国へ弔問に出向くことになった。同行したのは、王が寵愛する重臣・王驩(おうかん)。王驩は、旅の道中、朝夕に孟子に会いに来ては礼を尽くしたが、弔問という使命の本題について、孟子は一...