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正しさを貫く覚悟は、礼を守るところにあらわれる
― 苦境を恐れず、利に惑わされない志士の姿勢 孟子は、諸侯にへりくだって会おうとしない理由を、弟子の陳代に問われた。陳代は「わずかに自分を曲げてでも、諸侯と会えば大きなことが成し遂げられる」と説く。だが孟子は、形式であっても礼を欠く招きには... -
道理にかなった真心は、人の心を動かす
正論を超えるのは、人情と理が合わさった言葉である 孟子は語る: 「昔の時代には、親が死んでも葬らない人々がいた。死んだ親を谷に捨て、そのまま放置していた」 だが、ある日その谷を通りかかると―― 狐や狸が死体を食い、 蠅やぶよ、けらが群がってむさ... -
思想に軸がなければ、行動はぶれる
根本が二つあると、矛盾と混乱を生むだけである 墨子を信奉する夷之(いし)は、孟子の批判に反論するために『書経』の一節を引用する: 「昔の聖人は民を保ち愛すること、赤子を保んずるがごとし」⇒ つまり、儒家も「無差別の愛」を説いているのではない... -
他の思想に向き合い、正しさをもって論破せよ
間違いに目をつぶるのではなく、誠をもって正すことが仁の道 ある日、**墨子の思想を信奉する夷之(いし)**が、孟子に会いたいと申し出てきた。このとき孟子は病のため、こう答える: 「会いたいと思ってはいるが、今は病気中だ。病が治ったら、私のほう... -
平等とは、差を認めることから始まる
悪平等は人のやる気を削ぎ、偽りを招く 陳相は孟子の激しい批判に対して、話題をそらすようにこう言い出す: 「許行の考えにも良い点があります。たとえば、すべての物の価格を等しくする制度はどうでしょう。それが実現すれば、子どもですら市場で騙され... -
変わるなら、正しい方向へ。進むべきは高きところ
変化は成長であれ。退化ではない 孟子は、弟子たちが南方の思想家・許行の説に心酔し、本来の師や伝統の教えを捨てていることに激しく反論する。 許行とは何者か **南蛮(なんばん)**と呼ばれる文化的辺境の地の出身 鴃舌(げきぜつ)――もずの鳴き声のよ... -
師を慕うとは、形ではなく心で続けること
尊敬とは、永く心に留めることである。代替ではない 孟子は、孔子が亡くなった後の門人たちの姿を回想する。 三年の喪と子貢の姿 弟子たちは、血縁がないにもかかわらず三年間の喪に服した 喪が明けると、皆で荷物をまとめて郷里に帰ろうとし、子貢に丁寧... -
師を裏切るな。真の学びは忠と信から生まれる
師が亡くなったからといって、思想や信義を捨ててはならない 孟子は怒りを込めて、こう言う。 「私は、文化の高い中国が未開の異民族を感化し、変えたという話は聞いたことがある。だが、中国が夷(い:異民族)から感化されたなどという話は、聞いたこと... -
天下のために人を得る。これが最大の「仁」である
恵みを与えるより、徳を教えるより、人材を得ることが最も難しい 孟子は説く。 堯は、天下のために舜のような人材を得ることを最大の心配事とした 舜は、同じく天下のために禹や皐陶のような人材を得ることを一番の憂いとした 農民が自分の百畝の田の収穫... -
衣食が足りて初めて、教えが活きる
人は飽食・安逸だけでは禽獣に近づく。人を人たらしめるのは道である 孟子は舜の治世を引きながら、次のように説く。 舜は農政の責任者である后稷に命じて、民に五穀の耕作法を教えさせた。これにより、五穀は熟し、人々は育ち、長く生きられるようになっ...