未分類– category –
-
天命は徳ある者に降り、仁には誰も敵わない
孟子は、徳の有無が国家の命運を決定するという天の理を強調する。『詩経』の言葉を引用し、殷(いん)の子孫が数十万を超える大勢力であったにもかかわらず、徳を失ったために天命が周(しゅう)に下された事例を挙げる。かつて優れた人々であった殷の士... -
道あるところに徳の序列が生まれ、道なきところに力の序列が生まれる
孟子は、天下に「道(みち)」が行われているときには、徳の小さい者が徳の大きい者に、知の浅い者が賢者に自然と使われるのが理であると説いた。しかし、天下に道が失われると、そこにあるのは「力」の論理となり、小国は大国に、弱者は強者に使役される... -
徳は水のごとく、身を正せば自然と広がる
孟子は、政治の本質は決して難解なものではないと断言する。それは、まず自分の身を正しく保つこと。特に、代々にわたって仕えてきた忠臣(巨室)たちの心を得て、彼らに怨まれたり怒られたりしないようにすることが肝要だという。 もし重臣たちがその君主... -
天下の根は己にあり。まず自らを正すことがすべての始まり
孟子は、人々が何気なく口にする「天下国家」という言葉の順序に潜む本質に着目した。彼は言う。「天下」を安んじるためには、まず「国家」が安定していなければならず、「国家」の安定は「家庭」に、「家庭」の安定は「一人ひとりの身」にかかっている。... -
すべては己に反(かえ)って求めよ。心を正せば、天下は自然と従う
孟子は、うまくいかないことがあったとき、まず自分自身にその原因を求める「反求諸己(はんきゅうしょき)」の姿勢こそが、真に徳を得るための第一歩だと説く。たとえ相手に愛情を注いでも親しまれないなら、自分の「仁」が足りているかを見直せ。人を治... -
不仁を好みながら滅亡を恐れるのは、酔いを嫌って酒を飲むようなもの
孟子は、天下の盛衰はすべて「仁」と「不仁」によって決まると説く。夏・殷・周の三代が天下を治めたのは、君主たちが仁政を行ったからであり、失ったのは桀王・紂王・幽王・厲王のような不仁による暴政のゆえである。 それは国家にも個人にも同様にあては... -
悪しき前例はすぐそばにある。君主こそ、仁を学ばねばならない
孟子は、人が道を誤るのは「知らなかった」からではなく、学ぶべき模範を無視したからだと説く。コンパスや定規が形をつくるための基準であるように、堯舜(ぎょうしゅん)の行った仁政は、君や臣がその道を尽くすための最高の手本である。君主であるなら... -
上に立つ者には、徳がなければならない
孟子は、国家の安定と繁栄を保つためには、上に立つ者が「仁」を備えていなければならないと強く訴える。もし不仁な者が高位に就けば、その悪徳が民衆に広がり、政治秩序が崩壊する。上は道理によって物事を判断せず、下は法を守らず、朝廷の臣下は道義を... -
才能を尽くし、規範に学ぶ。そこに真の知恵が宿る
孟子は、聖人とは才能だけで成し遂げる人ではなく、自らの力を尽くしたうえで、正しい規範を活用する者だと説いた。目を尽くして見ても、さらに定規や水準器を使ってこそ、四角いもの、円いもの、平らでまっすぐなものを自在に作ることができる。耳を尽く... -
正しい政治は、先人の道を実践してこそ成り立つ
孟子は、たとえ人並み外れた才能を持っていても、正しい道具がなければ成果は得られないと説いた。視力の優れた離婁(りろう)でも、道具がなければ形は測れず、聴力に秀でた師曠(しかん)でも調子笛がなければ音階を正せないように、聖人堯舜(ぎょうし...