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親不孝の最大は「子を残さぬこと」――血の断絶は家の断絶
孟子は「不孝」について、非常に明確な基準を打ち立てている。 「不孝には三つの大きなものがある。その中でも最も大きな不孝は、跡継ぎを残さないことである」 これは儒教の根本思想である**「孝=親を敬い、家を守ること」**に根ざす考え方であり、単に... -
聖賢の道を学んだ者が、ただ“食べるため”に従うとは情けない
孟子は、愛弟子である**楽正子(がくせいし)**に対し、再び厳しく諫める。 「お前が子敖について斉まで来たのは、ただ“餔啜(ほせつ)”――食べさせてもらうためではないか」「古の道を学んだお前が、まさかそんな行動に出るとは思わなかった」 ここで孟子... -
愛弟子でも、礼を欠けばきちんと叱る。それが本物の師の姿
この章は、孟子が**自らの愛弟子・楽正子(がくせいし/らくせいし)**に対して、礼を欠いた振る舞いを厳しく戒める一幕を描いている。相手が高弟であり、かつかつて自分のために尽力した人物であっても、師は師として節度を保つべきであるという孟子の信... -
まだ道を極めてもいないのに、すぐ“先生ぶる”ことこそ、人間の大きな落とし穴
孟子は、数ある人間の欠点のなかでも、**「他人を教え導く者のごとく振る舞いたがる傾向」**を強く戒めている。 「人の患(うれ)いは、好んで人の師と為るに在り」 これは、単なる教師や学者に限らず、**あらゆる場面で人の上に立とうとする「態度」**へ... -
実行する覚悟なき言葉に、重みはない
孟子は、口先だけで立派なことを言う人間を鋭く批判している。 「人が軽々しく意見を述べるのは、責任を持っていないからである」 この一言には、孟子が重んじる「言行一致の倫理」が凝縮されている。 ◆ 言葉に軽さが出るのは、実行する気がないから 孟子... -
評判は風のようなもの。誉められても驕らず、けなされても挫けず
孟子は、人の世の「評価」や「評判」ほど、あてにならないものはないと喝破する。 「思いもよらない誉れがある。完璧を求めて努力したのに、かえって非難されることもある」 つまり: 評判は、努力の正当な報酬とは限らない 誉れも毀(そし)りも、外的要... -
国を正すには、まず「君」を正せ。その力は、大徳の人物にしかない
孟子は、世の政治が乱れるとき、多くの者が**「小人(しょうじん)=つまらない人物」や枝葉末節の政策**を非難するが、それは本質を見誤っていると説く。 ◆ 小人や細かな政策を責めても意味はない 「小人が上に立っているからといって、それを責めるのは... -
親に仕えるとは、身体を養うだけでなく、志を汲んで満たすことである
孟子は、孔子の弟子・**曾子(そうし)**が父・曾晳(そうせき)に仕えたときの逸話を引き、「親孝行」の本質は、ただ肉体を養うのではなく、「親の心=志」を汲んで応えることにあると教えている。 ◆ 曾子の孝養のあり方:志を養う 曾子は父の食事に際し... -
仕えることの根本は「親に仕える」ことであり、守るべきものの第一は「自分の身」である
孟子は、人としての在り方において、**仕えること(事)と、守ること(守)**の根本を明確に説く。 仕えるということの根本は、「親に仕える」こと 孟子は問う: 「仕えるということの中で、最も大切なものは何か?」 その答えは、 「親に仕えることが、仕... -
親子に最も必要なのは「恩愛」であり、「正しさ」ではない
弟子の**公孫丑(こうそんちゅう)**が、孟子に問うた: 「君子が自分の子を自ら教育しないのは、なぜでしょうか?」 これに対して孟子は、「自然にそうなるものであり、そうせざるを得ない理由がある」と語る。その理由は――**「教えることによって、親子...