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学びは厳しさだけでなく、温かく育む心も必要である
学問を志す者には、まず自分を律し、真面目に努力する「兢業(きょうぎょう)」の姿勢が求められる。しかし、それだけでは足りない。物事に執着しすぎず、どこか余裕を持って軽やかに構える「瀟洒(しょうしゃ)」な心持ちも、同時に必要なのだ。 厳しさと... -
恵まれた者こそ、世のため人のために生きよ——それが生きる価値を生む
春が訪れ、花は美しく咲き、鳥はさえずる。自然界のすべてが、その恵みを惜しみなく分け与えている。それにもかかわらず、人間——とりわけ教養があり、社会的地位も得て、豊かに暮らしている士君子が——ただ自分の安楽のためだけに生き、世のため、人のため... -
富や名誉は「何によって得たか」で、その価値も寿命も変わる
富・地位・名誉がどのような過程で得られたものであるかによって、その持続性と本質的な価値は大きく異なる。 それが道徳に基づき、人格や正しい努力によって得られたものであるならば、それは自然の中に咲く花のように、根付き、自らの力で静かに繁り育つ... -
苦労の中にこそ、深い喜びは宿る——安易な得意の裏には落とし穴がある
真剣に物事に取り組み、苦心しながら歩む日々の中には、必ず小さくとも確かな喜びが隠れている。努力を重ねる中で得られる達成感、困難を乗り越えた後に見える風景、それらは一時の快楽とは比べものにならない深い悦びをもたらしてくれる。 反対に、物事が... -
本来の自己には、真の教養と美が宿っている——それを取り戻すための学び
人の心には、生まれながらにして立派な文章や、美しい旋律のような本質的な教えや芸術性が備わっている。しかしそれらは、浅薄な知識の断片や、華美な娯楽によって封じ込められ、埋もれてしまっていることが多い。 学び修業しようとする者は、こうした外的... -
志なき学び、行いなき言葉、私利の事業は、すべて空虚に終わる
学び、職に就き、教え、事業を起こす——これらすべては、世の中の役に立つという根本がなければ、真の価値を持たない。 聖賢の心に触れることなく、表面的に書を読む者は、ただの文字の奴隷に過ぎず、学問の本質を見失っている。人々の暮らしを顧みずに役所... -
足るを知る人こそ、真に豊かで自由に生きる
贅沢に慣れてしまえば、どれほどの財産があっても「満足」には至らない。それでは、つつましく暮らしながらも、心にゆとりを持って生きる人に劣ってしまう。 能力がある人ほど、多くの労を重ね、かえって周囲の妬みや怨みを買いやすい。それならば、才に乏... -
心を澄ませて読む——知を己の欲に染めないために
書物を読むときは、まず自分の心を清め、素直な気持ちで向き合うことが何より大切である。でなければ、たとえ善行を目にしても、それを都合よく利用して自分の利益にしようとしたり、優れた言葉を聞いても、自分の欠点を覆い隠す道具にしてしまう。 そうな... -
自分も他人も、常に整っているわけではない——だからこそ、思いやりと理解が大切
人生には、順調なときもあれば、不調なときもある。心にもまた、穏やかなときもあれば、乱れてしまうときもある。それなのに、どうして自分の人生だけが、常に好条件であることを願い続けられようか?どうして他人ばかりに、自分の都合のよい態度を取り続... -
真の施しは、見返りを求めない心から生まれる
本当の「恩恵」とは、与えたことを自分でも意識せず、相手からの感謝すら期待しない時にはじめて、尊く価値あるものとなる。 どれほど小さな施しであっても、それが無欲で純粋な心から出たものであれば、万金に値する徳となる。逆に、施しの大きさを計算し...