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極端に偏らず、中庸の美を知る——調和が人格を磨く鍵となる
理想は、高く広く掲げるべきものである。しかし、その理想があまりにも現実からかけ離れてしまっては、ただの夢想家になってしまう。 思考は、丁寧で緻密であることが必要である。けれども、細部にとらわれすぎて、物事の本質を見失っては本末転倒だ。 趣... -
過去に囚われず、いま持っている成果を育て、未来に備えるのが賢者の道
新しいことに手を出して大きな成果を狙うよりも、すでに成し遂げたもの、今ある業(わざ)を着実に守り育てる方が、はるかに堅実で成果につながる。 同様に、過去に犯した過ちや失敗をいつまでも悔やむのではなく、そこから反省を導き出し、未来の誤りを防... -
本心が座していれば、外からも内からも乱されることはない
人の五官——目や耳などを通じて入ってくる見聞は、外部から侵入してくる「外の賊」である。また、情欲や我欲、雑念などの思いは、心の内部に巣食う「内の賊」である。 だが、もしその人自身の本心(ほんしん)がしっかりと目覚めていて、ぶれることなく静か... -
欲を抑えることは、品格を守る最大の「財産」である
人がもし、たった一つでも「私利私欲」に心を染めてしまえば、本来持っていたはずの強さはたちまち弱くなり、澄んでいたはずの知恵は曇り、人を思いやる優しさは残酷さへと変わり、清廉な心は穢れてしまう。 その結果、積み上げてきた一生の人格や品格まで... -
荒々しくても動く者は鍛えられる——何もしない者だけが本当に使い物にならない
暴れ馬のように激しく制御しがたい者であっても、きちんと訓練すれば、やがて立派な駿馬として駆け抜けるようになる。鋳型から飛び出るような溶けた金も、手をかければ鋳型にきれいに収まる。 だが、本当にどうしようもないのは、何もせず、やる気も起こさ... -
清濁併せ飲む寛容さこそ、真の君子の器量である
雑菌や汚れを含んだ土地ほど、そこには豊かな生命が育ちやすい。反対に、あまりに澄んだ清水には、魚すら住みつくことができない。 この自然の原理と同じように、君子たる者もまた、多少の垢(あか)や汚れ、すなわち世俗の複雑さや人の未熟さをも、受け入... -
心は「空」であり「満ちている」——この両立が人格を高める鍵となる
人の心は、先入観や邪念で満たしてはならない。常に柔らかく、空っぽであるようにしておくことが肝要である。そうすることで、義理――すなわち正しい道理や教えが、自然と心の中に入ってくる。 しかし同時に、心は「中身がない状態」であってはいけない。む... -
苦しみと喜びを経て得た幸福こそ長く続き、疑いと信を往還して練られた知恵こそ本物となる
人は、苦しみや試練を経て、喜びにたどり着く。その一つひとつの経験を丁寧に積み重ね、練り上げるようにして得た幸福こそ、一時的な快楽ではなく、長く心に根を張る「本当の福」となる。 同じように、知識や知恵も、ただ情報として耳に入れただけのもので... -
真理の道は広く晴れやか、欲望の道は狭く苦しみに満ちている
「天理(てんり)」——すなわち真理にかなった道は、非常に広く、明るく開けた世界である。ほんの少し心をそこに向けてみるだけでも、内側からのびのびとし、胸が広々として、晴れやかな気持ちに満たされる。 それに対して、「人欲(じんよく)」——欲望に支... -
心が温かい人には、自然と福が集まる——優しさは天が報いてくれる
自然界では、暖かい季節に万物が芽吹き、冷たい季節にすべてが枯れ落ちる。人の世界もそれと同じで、心が冷たく、思いやりを欠く人は、天から受ける幸せもまた薄く、はかないものとなってしまう。 一方、和やかな雰囲気を持ち、温かい心で人に接する者は、...