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苦しみは知らぬ間に心を磨き、順調さは気づかぬうちに人を壊す
人が逆境――つまり困難で思い通りにならない状況にあるとき、その身にふりかかるものはすべて、まるで鍼(はり)や薬のように作用し、心を鍛え、行いを磨き、節操を強くしてくれる。 しかし、当の本人は、その“ありがたさ”にほとんど気づかない。ただ苦しい... -
自分の生き方は貫いてよい。ただし、それを振りかざしてはならない
あっさりと飾り気のない「澹白(たんぱく)」な人は、派手でしつこい「濃艶(のうえん)」な人からすれば、何を考えているかわからず、かえって疑いの目を向けられることがある。 また、真面目で厳格な「検飭(けんちょく)」な人は、だらしなく自由奔放な... -
自分の心が整えば、世界も穏やかに見えてくる
いつも自分の心を**円満(えんまん)**に――角を立てず、偏らず、丸く保っていれば、世の中にある不平や不足も、不思議と見えなくなる。 また、自分の心を**寛平(かんぺい)**に――広く、おおらかで、落ち着いた状態に保っていれば、世の中にある人間関係の... -
家庭の温かさとは、感情ではなく思いやりで人を導くところにある
家族の誰かが過ちを犯したとき、すぐに感情的になって怒鳴りつけたり、見限って冷たく突き放したりするのは避けるべきである。だからといって何も言わずに放っておくのも、思いやりに欠ける。 もし直接伝えるのが難しい内容であれば、他の話題にかこつけて... -
「君子」であることに甘えてはならない——偽りや変節は、小人以下の過ちとなる
人から「君子(くんし)」——つまり立派な人格者として見られている者が、もしその名に反して偽善を働くようなことがあれば、それは、つまらない小人(しょうじん)が公然と悪をなすのと、何ら違いはない。 さらに、君子と呼ばれる人物が節操を失い、自らの... -
いま享受しているものは「先祖の徳」、いま築くものが「子孫の幸福」
私たちが今日この瞬間に享受している生活の恩恵は、すべて過去の人々――祖先たちの積み重ねた努力と徳のたまものである。だからこそ、今ある恵みの背景には、長い年月をかけて築き上げてくれた苦労と真心があることを思い、感謝の心を忘れてはならない。 で... -
位階に関係なく、人のために尽くす者こそ真の政治家である
たとえ地位や肩書きがない一般の人であっても、日々徳を積み、人格を高め、他人に恵みを施し、尽くしているのであれば、その人はすでに「無位の公相(こうしょう)」——地位のない立派な政治家であると呼ぶにふさわしい。 反対に、大臣や高位高官のような身... -
最後の生き様が、その人の“真の価値”を決める
たとえ若い頃に奔放な生き方をしていたとしても、人生の後半において誠実な姿勢を貫き、よく伴侶を支えることができれば、過去のことは大きな障害にはならない。 反対に、若い頃は清く貞節だった人でも、老いてから節操を失って遊びにふけるようになれば、... -
天の目は誤らない——誠実な人には報いがあり、偽る人には罰がある
誠実で節操のある人格者は、自ら幸せになろうとあくせく求めず、静かに道を歩んでいく。その「無心さ」こそが美徳であり、天はその姿を見て、その人の真心に応えようとする。 反対に、心がねじれ、陰険な人は、自らの悪を隠しながら、うまく禍を避け、世渡... -
「天」にさえ屈しない覚悟——逆境を力に変える意志の力
もし、天が私に幸福を与えないという冷遇を与えるなら、私はむしろ自らの徳を深め、人格を磨いて、それにふさわしい幸福をつかみ取ってみせよう。 もし、天が私に身体的な苦しみを課してくるなら、私は心を穏やかに保ち、内面の平安によってその苦しみを補...