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無防備すぎず、疑いすぎず ― 中庸の人こそ、真にどっしりとした人
人に危害を加えようとする攻撃の心を持つべきではない。しかし一方で、他人からの危害を防ぐ意識や備えは、必ず持っておくべきである。 これは、他人を信じすぎて何の備えも持たない「不用意な人」への戒めである。 また、「人に欺されないように」といつ... -
小さな天地としてのわたし、大きな天地としての世界
自分の心と体は、それ自体が一つの小さな宇宙(小天地)である。その中で、喜びや怒りといった感情が乱れず、好き嫌いの判断も自然の理(ことわり)に則っていれば、そこには静かで美しい調和が生まれ、人生そのものが整っていく。 また、天地(自然)は万... -
逆境こそが、真の人物を鍛える熔鉱炉である
逆境や困難、そして貧しさは、優れた人物を鍛え上げるための熔鉱炉(ようこうろ)や金槌のようなものである。 それらをしっかり受け止め、耐え忍び、前向きに取り組む者は、心も体も強く、深みある人物へと成長する。 一方で、その試練から逃げたり、ぬく... -
感情を超えて沈黙する人に、計り知れない力が宿る
誰かが自分をだましていると分かっても、それを言葉にして相手を責めたりはしない。 誰かが自分を侮っていると感じても、怒りや不快を顔に出すことはしない。 これらは非常に難しいことだが、できるようになれば、言葉では言い尽くせないほどの深い含意が... -
私欲という魔に打ち克つには、「照らす力」と「斬る力」が必要である
自分の中にひそむ私欲に打ち克ち、欲望を制するには、まずそれが欲であると早く気づき、見極めることが第一である。しかし、たとえ気づいたとしても、意志の力が弱ければ実行には移せず、結局、欲望に流されてしまう。 つまり、「これは欲だ」と照らし出す... -
空が移ろうように、心もまたしなやかに変化せよ
晴れ渡る空も、突然に雷がとどろき、激しい風雨が襲うかと思えば、やがてそれも止み、月が夜空を静かに照らし出す。 このように、大自然は常に変化し、とどまることがない。風雨も、雷も、青空も、どれも一時の姿にすぎない。 人の心もまた、自然のように... -
心がぼんやりしても、張り詰めすぎても、「ちょうどよい自分」に戻る技を持て
心がぼんやりとして、集中できずに気が散っているときは、自分の本心を呼び起こし、意識をしっかりと引き戻す必要がある。 一方で、緊張しすぎて気持ちに余裕がないときには、思い切って手をゆるめ、心をほどいてやることが大切だ。 どちらかに偏りすぎる... -
沈黙の奥に潜むもの、激情の裏にあるもの ― 関わり方は慎重に
無口すぎて何を考えているのかわからない人には、こちらも軽々しく本心を明かすべきではない。それは壁のような沈黙であり、信頼の通路が開かれていないからだ。 また、感情的に怒りやすく、自分ばかりが正しいと信じ込む人には、口を慎み、距離をとること... -
短所は包み、頑固さは導く ― 人を責めず、育てる態度を
人の短所に気づいたとき、それをあからさまに指摘して傷つけるのではなく、やさしく丁寧にフォローし、うまくつくろってやることが大切である。 もし、相手の欠点をそのまま暴いてしまえば、それは自分の短所で相手の短所を攻めるようなもので、何の成長も... -
偏らず、驕らず、他者へのまなざしに謙虚であれ
一方の話だけを鵜呑みにして、悪賢い者の策略に踊らされてはならない。自分の力にうぬぼれて、自信過剰のまま突き進んでもいけない。自分の得意を誇って、他人の弱点をさらけ出すようなことをしてはいけない。自分が不得意だからといって、他人の才能をね...