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人が敬うのは地位と装い、人が侮るのも見かけにすぎない
もし自分が高い地位に就けば、人々は持ち上げてくれるだろう。だが、それは自分自身を敬っているのではなく、高位高官の礼服(峩冠大帯)という「装い」を敬っているにすぎない。 逆に、自分が低い身分にあれば、人々は軽んじてくるかもしれない。しかしそ... -
心を空にし、意識を澄ませば、本当の自分が現れる
心が空(から)で静まっていれば、雑念が取り払われ、本来の自分=本性が自然と姿を現す。しかし、心がざわついたままで「自分を知ろう」としても、それは波立つ水面をかき分けて月の姿を探すようなものであり、見えるはずがない。 また、意識(心のはたら... -
恩は徐々に厚く、威はまず厳しく――人の心を動かす順序の知恵
人に恩恵を施すときには、最初は控えめにして、後から少しずつ厚くしていくのがよい。最初に大きく施してしまい、後で減らしてしまうと、人はその恩をすぐに忘れ、感謝の念も薄れてしまう。 逆に、人に対して威厳を示す必要があるときには、初めに厳しくし... -
本物の非凡は自然体にあり、奇をてらえばただの偏屈になる
本当に非凡で優れた人とは、自然に俗世を超越している人である。しかし、わざと人と違うことをして目立とうとする者は、奇才ではなく、ただの変人にすぎない。 また、世間と関わりながらも、その俗っぽさや汚れに染まらず、心の清らかさを保っている人こそ... -
他人には寛容に、自分には厳しく。苦しみには手を差しのべよ
人の過ちは、あたたかく受けとめ、寛大に赦してあげるべきである。しかし自分の過ちについては、どこまでも厳しく省みなければならない。 また、自分の苦しみや屈辱は、じっと耐える覚悟を持つべきだ。けれど、他人が苦しんでいるときには、ただ見過ごすの... -
思いつきは続かず、ひらめきは迷いに変わる
物事を思いつきのまま始めると、勢いにまかせて行動できるのは最初だけ。熱が冷めれば、すぐに手を止めてしまう。これでは、「不退の輪(限りなき前進)」など望めない。 また、一時的な感覚やひらめきによって「悟った」と思ったとしても、それが真の悟り... -
勤勉と倹約を、私欲の道具にしてはならない
本来、「勤勉」とは道徳や義に対して敏感であり、人格を磨くために努力する姿勢を意味していた。しかし今では、単に貧しさを脱してお金を得るための手段として使われがちである。 また「倹約」とは、本来は利益に淡白で、欲望を抑えて心静かに生きるための... -
年月が経っても、心を新たにし、見えぬところこそ誠実に
人とのつながりにおいて、大切にしたい三つのことがある。 一つは、昔からの友人と付き合うときこそ、初めて会ったような新鮮な気持ちで接すること。年月を経ても意気は新しくありたい。二つ目は、人目につかない事柄に対してこそ、むしろ心と行動を一層誠... -
善も悪も、見えずとも報いは必ずやってくる
善いことをしていても、その効果や報いはすぐには目に見えないかもしれない。だがそれは、草むらに隠れて育つ瓜のようなもの。目立たずとも、確かに成長し、やがて実を結ぶ。 逆に、悪いことをしても、その報いがすぐに表れないために、何の問題もないよう... -
寛大な心は万物を育て、冷酷な心はすべてを凍らせる
心が広く、あたたかく、寛厚な人は、春の風のように万物をやさしく包み、自然と命を育てていく。そのような人のもとでは、人も物も、生き生きと成長してゆくものだ。 一方で、心が狭く、冷たく、残忍な人は、北風に吹かれ雪に閉ざされた大地のように、すべ...