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耐えることは、人生を支える一本の柱である
昔の人はこう言った――「山に登るときは、傾いた道に耐えながら進まなければならない。雪道を行くときは、危ない橋を渡るのに耐えることが必要だ」と。 この「耐(た)える」という一字こそが、どれほど深い意味を持っていることか。 人の心は傾きやすく、... -
奇を求めず、平凡な徳を積む者が、最も穏やかに人生を全うする
陰謀や怪しげな習慣に頼ったり、奇妙な行動や人をあざむくような特殊な能力を誇示して、この世をうまく渡っていこうとすることは、いずれ禍(わざわ)いを招く種となる。 人目を引き、不思議がられるような力や振る舞いに価値があるように思えても、それら... -
一念のやさしさが、未来の世を清らかにする
たとえ小さなものであっても――私たち一人ひとりの、ほんのひとかけらの誠実さや思いやり(慈祥)は、この世の中になごやかな空気をゆっくりと醸し出していく。 そして、心の奥底にあるたった一寸(いっすん)の潔白な思いは、百代(ひゃくだい)――つまり、... -
誠と正義をもって接すれば、どんな人も感化できる
うそをついて人をだまそうとする者に出会ったなら、こちらは誠実な心をもって接し、その心を動かし、改心させたい。乱暴で手がつけられないような者には、あえてやわらかな和やかな気持ちで接し、ゆっくりと温めるように感化したい。心がねじれて私利私欲... -
正しさを振りかざせば傷つく、静かに温かく生きるのが最上である
節義や主義を声高に掲げる人は、その節義によってかえって人に批判されやすい。学問や道徳を売り物にする人は、むしろその道徳を口実にして責められることが多い。 だからこそ、君子(徳のある人物)は、悪に染まらず、しかし善名を立てようともしない。た... -
要職にある者は、正しさと親しみを備え、悪人に近づかず毒に刺されるな
士君子(しのくんし)――すなわち品位ある人物が、権力を持つ立場や重要な職務に就いたときには、まずその行いを厳格かつ明確に保つことが求められる。どこまでも公明正大に仕事を進めるべきである。 同時に、人と接する際には、和やかで柔和な心持ちを忘れ... -
検討は客観的に、実行は当事者として――役割に応じて心を切り替えよ
物事を議論・検討するときは、自分の立場を一度外に置き、あたかも第三者のような目で「利害得失」を冷静に、十分に考えるべきである。しかし、その案件を実際に遂行する立場に任じられたならば、もはや利害得失の思案を引きずるべきではない。すでに決ま... -
心を静め、目を澄ませ――無事にも有事にも揺れない心を持て
何も問題が起こらず、日々が平穏であるとき、人の心はつい緩み、ぼんやりと曇りがちになる。こういうときこそ、心を落ち着かせつつも、目はすっきりと澄ませて、物事の本質を見失わないようにしたい。 一方で、突発的な出来事や問題が起きると、心は浮き足... -
心は宇宙そのもの――喜怒哀楽もまた自然の一部
人間の心は、まるで天の運行や宇宙の秩序のように、さまざまな感情が絶えずめぐりゆく小さな宇宙である。 一念の喜びは、天に輝く吉兆の星やめでたい雲のようなもの。一念の怒りは、雷鳴とどろき、雨風激しい嵐のようなもの。一念の慈しみは、穏やかなそよ... -
思いやりの心は、人として生きる証である
「ネズミのためにご飯粒を少し残す」「ガ(蛾)が飛び込んでこないように灯をともさない」――昔の人は、そんなささやかな行いに、命あるものすべてを思いやる心を込めていた。 こうしたほんの一点の優しさは、私たち人間が他の命とともに生きるうえで最も大...