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名を好む者は、道義を偽る――最も危うい偽善の姿
私利私欲をむき出しにして行動する者は、あからさまに道義から外れているため、誰の目にもその害が見えやすく、被害も比較的浅くて済む。その姿は露骨で、警戒しやすいため、周囲もある程度対応できる。 しかし、名声や評判を欲しがる者は、道義の「名」を... -
磨き育てるには百回鍛え、事を起こすには重く放て
自分を磨き育てていくには、ちょうど金属を精錬するように、何度も何度も熱しては打ち、時間をかけて鍛えていく必要がある。すぐに結果を求めて手っ取り早く作り上げたものは、本当の修養・本物の人格にはならない。 また、何か新しい事業や行動を起こすと... -
欲は治せても、理屈に固まった心は治しがたい
人が欲望に執着している場合には、それをやめさせ、改めさせることはまだ可能である。なぜなら、欲は外に現れるものであり、条件や環境によってある程度制御できるからだ。 しかし、人が自分の「正しさ」に執着している場合――つまり「理屈(義理)」に固執... -
小人と争うな、君子にこびるな――人間関係の品位を保つ
つまらない小人物(しょうじんぶつ)――つまり、自己中心的で偏狭な小人とケンカをしても意味はない。なぜなら、彼らには彼らと同じレベルの者が自然と争いの相手として現れるものだからである。人格のある者がわざわざそこに降りて行って争う必要はない。 ... -
清濁併せ呑む度量が、人とのつながりと成長を育てる
自分自身のふるまいや心がけについては、あまりに潔癖すぎてはならない。この世の中には、よごれやけがれ、理不尽や不快な出来事も多くある。そうした一切を受け止められる懐の深さと忍耐の器量がなければ、社会を円滑に渡り歩くことは難しい。 また、人と... -
富も若さも一時のこと――だからこそ、慎みと備えを忘れるな
財産や地位を手にしているときほど、「これが失われたとき、自分はどうなるのか?」ということを思い、今なお困窮している人たちの苦しみに寄り添える想像力を持つべきである。 また、自分が若く元気な時期にあるときほど、必ずやってくる老いや衰えの辛さ... -
公と私における基本――役人には「公平と清廉」、家庭には「思いやりと倹約」
役人の心得: 一つ目は「**公平(こうへい)**であること」。――これさえ守れば、判断が明快となり、職務は正しく遂行される。 二つ目は「**清廉(せいれん)**であること」。――これがあれば、自然と周囲に対して威厳が生まれ、信頼される存在になる。 つま... -
心・人・物において“使い尽くさぬ”こと――それが未来への徳となる
第一に、自分の心を物欲で曇らせないこと。私欲に覆われた心では、何を見ても正しく判断できなくなる。 第二に、人の情にすがりきらないこと。人の親切や厚意を当然のように受け尽くしてしまえば、人間関係の調和は崩れてしまう。 第三に、物の力を使い果... -
騒がしさに流されぬために、静かなときに心の軸を整える
忙しいときにも心の余裕を保ちたいと願うのなら、まずは時間に追われない静かなときに、自分の心の「つか(柄)」を探しておくことが必要である。また、騒がしい状況でも静けさを保ちたいと思うなら、まず落ち着いた環境で、自分の心の主宰=主体性を確立... -
外の飾りより、内なる輝きを――人の価値は中身に宿る
功績を誇り、学問や教養をひけらかすような人は、人間としての価値を“外物”に頼って生きている。しかしそれは、真に価値ある生き方とは言えない。 本当に大切なのは、自分の心の本体――「心体(しんたい)」が、玉のように澄み輝いていることである。もしそ...