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縁起よりも民の営みを尊べ
―『貞観政要』巻二より 🧭 心得 国家の行事は、吉日や縁起よりも、民の暮らしと時節に即して行うべきである。貞観五年、皇太子の成人式(冠礼)を二月に行うことが吉とされ、儀仗の準備に民を徴用する案が出された。しかし太宗は、春の農繁期... -
民を思う心が、天に通じる
―『貞観政要』巻二より 🧭 心得 天災に直面したとき、為政者は責任を他に転嫁せず、自らに災いを引き受ける覚悟を持つべきである。貞観二年、長安で干ばつとイナゴの害が発生した際、太宗は禁苑で実際に穀物を視察し、イナゴを手に取って「民... -
君主の克己が、民の安寧を守る
―『貞観政要』巻二より 🧭 心得 国を治めるとは、欲望を抑えることから始まる。太宗は、国家の根本は人民であり、人民の生活の基盤は衣食であると説いた。そして、衣食を満たすためには農耕の時期を逸しないことが肝要であり、それを妨げるよ... -
勝者の礼は、敗者への思いやりにあらわれる
―『貞観政要』巻一より 🧭 心得 勝利を誇るのではなく、かつての敵をも思いやること――それが真の王者の礼である。蕭瑀が、戦功をたたえる舞楽に敵将の姿を生々しく描写したいと申し出たのに対し、太宗はこれを退けた。それは、敗者の旧臣たち... -
音楽は鏡であって、因ではない
―『貞観政要』巻一より 🧭 心得 国の盛衰は、音楽によって引き起こされるものではない。音楽は人の心を映す鏡にすぎず、治政の善悪がそのまま人々の感情を通じて音色に反映されるだけである。太宗は、亡国の悲歌が人々の涙を誘ったのは、曲そ... -
生まれし日は、親を偲ぶ日
―『貞観政要』巻一より 🧭 心得 誕生日は、自分を祝う日ではなく、命を与え育ててくれた親への感謝と追慕の日であるべき。太宗は、自身の誕生日に際し、世俗的な祝賀を否定し、母の出産の苦しみと両親の恩を思って涙した。孝を第一とする儒家... -
礼は名目よりも実情を尊ぶ
―『貞観政要』巻一より 🧭 心得 礼の本質は、形式にとらわれるのではなく、人としての恩と情に基づくべきものである。太宗は、血縁が近くとも喪に服さない規定や、逆に縁遠い者への重すぎる礼の取り扱いに疑問を抱き、制度の再検討を命じた。... -
礼とは身分の尊卑でなく、制度の秩序にある
―『貞観政要』巻一より 🧭 心得 個々の敬意や感情よりも、国家の制度としての礼秩序が優先されるべきである。太宗は当初、皇子たちである親王に対し高官が下馬して拝礼するのを良しとしたが、魏徴はそれが法と故事に反し、制度上ふさわしくな... -
客人をもてなさずして、民を治められようか
―『貞観政要』巻一より 心得 遠方から公務でやってくる者には、敬意と礼節をもって迎えるべきである。太宗は、地方からの使者が宿を自費で借り、商人らと雑居している現状に対し、「このような待遇では、彼らは朝廷に不満を抱く」と憂い、専用の宿舎を建て... -
身分を越えて守るべきは礼
―『貞観政要』巻一より 🧭 心得 たとえ皇帝の娘であっても、嫁いだ先ではその家の礼に従うべきである。王珪は、「礼」に基づいて公主(皇女)に義父母への挨拶をさせ、私的な栄誉のためではなく、国家の礼節を体現することを重んじた。その姿...