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正義ある統治に、恐れは要らぬ
― 民の心を得た国に、外敵は及ばない 斉が燕を討ち、領土を取ったことにより、諸侯たちは斉の強大化を警戒し、連合して燕を救おうとし始めた。この情勢に対し、宣王は孟子に問う――「これから多くの諸侯が我が国を攻めようと謀っている。どう対応すればよい... -
民の心が伴わぬ統治は、必ずや災いを呼ぶ
― 「取る」か「取らぬか」は、民の意思によって決まる 斉が燕を打ち破ったあと、宣王は「燕を取るべきか」と孟子に問うた。それに対して孟子は、戦勝による領土支配の可否を、民意の有無によって判断せよと説いた。 もし、燕の民が斉の統治を喜び、歓迎す... -
戦で勝ったからといって、奪ってよいとは限らない
― 天命を盾にして欲望を正当化してはならない 燕(えん)の国を討って勝利した斉(せい)の宣王は、孟子にこう問うた。 「ある者は『燕を取ってはならない』と言い、ある者は『取るべきだ』と言う。万乗(ばんじょう)の大国である我が国が、同じく万乗の... -
正しい道は、都合で捨てるものではない
― 王命といえど、信念を曲げることはできない 孟子は斉の宣王に、大工の例えを用いて、学びと信念の尊さを説いた。 王が立派な宮殿を建てたいと考えたとき、まず命じるのは大工の棟梁に「大木を求めよ」ということである。棟梁が見事に大木を見つけてくれ... -
王の資格を失えば、ただの一人の人にすぎない
― 民意と天命が去れば「君主」ではなくなる(易姓革命の思想) 斉の宣王が孟子に尋ねた。「殷の湯王が夏の桀王を追放し、周の武王が殷の紂王を討ったというが、それは本当か?」 孟子は答える。「古い記録にはそのように記されています」。 さらに宣王は問... -
「賢人」の評価は、民の声と自らの目で定めよ
― 側近の声ではなく、国民の声を土台にした政治判断を 孟子は、人を用いる判断基準について、斉の宣王に極めて明快な原則を示した。信頼する側近や重臣たちが口を揃えて「賢い、用いるべきだ」と言っても、すぐにその人物を登用してはならない。また、同じ... -
人事は信頼の基盤、軽んじれば国は揺らぐ
― たとえ登用でも「慎み」が要になる 孟子は斉の宣王に対して、人材登用の軽率さを戒めた。「古くから続く由緒ある国」とは、大きな樹木(喬木)がある国ではない。代々仕えて君主と命運を共にする「世臣」がいる国をいうのだと。 ところが、王には親しく... -
国を治める責任から逃れることはできない
― 他人に厳しく、自分に甘い王を問い詰める孟子のまごころ 孟子は、斉の宣王に巧みに問いかけながら、統治者としての責任と自覚を引き出そうとした。 まず孟子はたとえ話を用いる。「もし王の家来が、自分の妻子を信頼して友に預け旅に出た。ところが戻っ... -
好色もまた人の本性——それを民と共にすれば、王者の道を妨げはしない
斉の宣王は、先の「財を好む」発言に続いて、もうひとつの“欠点”を打ち明ける。 「私にはもう一つ悪い癖がある。それは“色を好む”ことだ」 孟子はすぐにそれを否定せず、こう返す。 「昔、周の祖である大王(古公亶父)もまた色を好み、妃を深く愛した」 ... -
財貨を好むならば、民とともに好め——そこに王者の資格がある
斉の宣王は、孟子の言葉に感銘を受け、こう言った。 「良い言葉だ」 すると孟子はすかさず問い返す。 「それならば、なぜ実行なさらないのですか?」 これに対し、宣王は少し逃げ口上のように答える。 「私はひとつ悪い性癖があって、それは“財貨を好む”こ...