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実行する覚悟なき言葉に、重みはない
孟子は、口先だけで立派なことを言う人間を鋭く批判している。 「人が軽々しく意見を述べるのは、責任を持っていないからである」 この一言には、孟子が重んじる「言行一致の倫理」が凝縮されている。 ◆ 言葉に軽さが出るのは、実行する気がないから 孟子... -
評判は風のようなもの。誉められても驕らず、けなされても挫けず
孟子は、人の世の「評価」や「評判」ほど、あてにならないものはないと喝破する。 「思いもよらない誉れがある。完璧を求めて努力したのに、かえって非難されることもある」 つまり: 評判は、努力の正当な報酬とは限らない 誉れも毀(そし)りも、外的要... -
国を正すには、まず「君」を正せ。その力は、大徳の人物にしかない
孟子は、世の政治が乱れるとき、多くの者が**「小人(しょうじん)=つまらない人物」や枝葉末節の政策**を非難するが、それは本質を見誤っていると説く。 ◆ 小人や細かな政策を責めても意味はない 「小人が上に立っているからといって、それを責めるのは... -
親に仕えるとは、身体を養うだけでなく、志を汲んで満たすことである
孟子は、孔子の弟子・**曾子(そうし)**が父・曾晳(そうせき)に仕えたときの逸話を引き、「親孝行」の本質は、ただ肉体を養うのではなく、「親の心=志」を汲んで応えることにあると教えている。 ◆ 曾子の孝養のあり方:志を養う 曾子は父の食事に際し... -
仕えることの根本は「親に仕える」ことであり、守るべきものの第一は「自分の身」である
孟子は、人としての在り方において、**仕えること(事)と、守ること(守)**の根本を明確に説く。 仕えるということの根本は、「親に仕える」こと 孟子は問う: 「仕えるということの中で、最も大切なものは何か?」 その答えは、 「親に仕えることが、仕... -
親子に最も必要なのは「恩愛」であり、「正しさ」ではない
弟子の**公孫丑(こうそんちゅう)**が、孟子に問うた: 「君子が自分の子を自ら教育しないのは、なぜでしょうか?」 これに対して孟子は、「自然にそうなるものであり、そうせざるを得ない理由がある」と語る。その理由は――**「教えることによって、親子... -
天下は手で救えぬ。救うべきは「道」によってである
孟子は、斉の弁士・**淳于髠(じゅんうこん)**とのやり取りの中で、臨機応変と本質的原則の違いを鋭く語る。 淳于髠はまず、礼の原則を問いかける: 「男女が直接、物を手渡ししないのは礼によるものですか?」 孟子は答える: 「それは、礼である」 する... -
真の「恭」と「倹」は、内からにじみ出るもの
孟子は、「恭倹(きょうけん)――慎みと倹しさ」の徳について、本物と偽物の違いを明確に示している。 **「恭者(きょうしゃ)」**は、自らを慎み、へりくだる人であり、他人を決して侮らない。 **「倹者(けんしゃ)」**は、慎ましく倹約する人であり、他... -
瞳は心の鏡である。人の本心は、目にあらわれる
孟子は、人の真の在り方を見抜くには**「瞳(ひとみ)」を見よ**と説く。人間の内面は、言葉や態度で取り繕うことはできても、瞳の奥にある本心まではごまかせないという。 心が正しければ、瞳は澄みきっている。 心が曲がっていれば、瞳はにごり、どこか... -
君主に媚びて民を苦しめる者は、最も重い罪を負う
孟子は、民を顧みずに君主の私利を追求する臣を、厳しく非難する。その代表例として登場するのが、孔子の弟子である**冉求(ぜんきゅう)**である。 冉求は、魯の権臣・季孫氏の家老となったが、 季氏の悪徳を正さず、 民に対する税(穀物)を倍増させて、...