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親を想う心は、天下よりも重い
弟子の桃応が孟子に尋ねた。「もし舜が天子となり、司法官の皐陶が法を執り行っているとき、舜の父である瞽瞍(こそう)が人を殺したら、どうなりますか?」 孟子は答える。「皐陶は法に従って、瞽瞍を捕らえるだけだ」。 桃応はさらに聞いた。「というこ... -
小義に優れても、大義を失えば本末転倒である
孟子は、斉の陳仲子が廉潔な人物として知られ、「たとえ不義によって斉の国を与えられても決して受けないだろう」と世間の人々から信じられていることに対して、厳しく指摘した。 確かに、それは義を貫く立派な行動に見える。しかし孟子は、それを「簞食(... -
志を高く持ち、仁義を道とせよ
斉の王子・墊(てん)が孟子に尋ねた。「士(学び修める人間)は、何を努め守って生きるべきでしょうか」。孟子は答えた。「それは“志を高くする”ことだ」。さらに墊が問う。「志を高くするとは、どういうことですか」。孟子は答えた。「それは、ただひた... -
真の貢献があれば、耕さずとも食べるに値する
弟子の公孫丑は孟子に尋ねた。「『詩経』には『素餐せず(功もないのに食べてはならない)』とあります。では、君子が自ら耕作もせず、君主から禄を受けて生活しているのはなぜでしょうか?」 孟子はこれに対して、こう答えた。君子がその国に住んでいるこ... -
君を補佐する者は、私心を持たず正義に徹すべし
弟子の公孫丑が孟子に問うた。伊尹は、「自分の君に道に外れたことをさせたくない」と言い、暴君となった太甲を一時的に桐へ追放した。民はこれを喜び、のちに太甲が反省して賢明になったため、再び都に迎え入れた時も、民は喜んだ。このように、賢者が君... -
借りものは、いずれ返すべきものである
孟子は、古の聖王たちの仁義の在り方を三つに分けて示した。堯や舜は、天性そのままに仁義を体現し、生まれながらにして徳を備えた人物である。殷の湯王や周の武王は、自己を修養し、努力を重ねて仁義を身につけた王である。一方、五覇――斉の桓公、晋の文... -
志ある者は、達成するまでやめてはならない
孟子は、志を立てて物事に取り組む者は、目的を達成するまで決して途中でやめてはならないと教えた。それは、井戸を掘る作業にたとえられる。どれほど深く掘っても、水の湧く泉に達しなければ意味がない。たとえ「九軔(きゅうじん)」──つまり非常に深く... -
地位のために志を変えてはいけない
孟子は、柳下恵が三公という高い地位を得るか失うかに関わらず、自分の生き方や考え方、行動を変えなかったことを称賛した。柳下恵は、地位や名声を追い求めることなく、常に自分の信念を守り続け、外部の影響に流されることはなかった。孟子は、地位や権... -
欲望にとらわれず、正しい判断をする
孟子は、飢えた人や渇いた人がどんな食べ物や飲み物でもおいしく感じるのは、正しい味覚が失われているからだと教えた。飢えや渇きが人の味覚を狂わせているように、欲望もまた人の心を乱すことがある。もし人がこのような欲望に影響されず、心を安定させ... -
臨機応変に判断して最適な処置を取る
孟子は、楊朱と墨翟(墨子)の考え方の違いを例に挙げて、道においてどのように行動するべきかを説いた。楊朱は自己の利益を最優先し、たとえ自分の毛を一本抜くことで天下のためになるとしても、自己の利益にかなわなければそれを行わない。これに対して...