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日報の山
S工業の従業員数は約500名。調査のために訪問し、社長室で社長の話を聞いた。机の中央には、同じ形式の書類が約20センチの高さに積み重ねられていた。 見るとそれは日報で、なんと22冊もあった。思わず驚かされた。社長がこんな無駄とも思える書類をいちい... -
読まれない報告書
ある会社では、二年前に会計機を導入した。それ以来、毎日試算表が作成されている。女子事務員が手慣れた様子で数字を打ち込み、出来上がった試算表をそのままファイルに収めているのを見て、どうやら誰もその内容を確認していないらしいと感じた。そこで... -
防衛兵器
R社で工程管理の改善に取り組んだ際の話だ。そこは典型的な受注一品生産の現場で、季節による需要の変動が大きい上に、短納期対応が求められ、さらに突発的な案件も頻繁に発生するという厄介な状況だった。 混乱の原因は、無計画な受注にあった。このため... -
常識でムダを省け
会社内では、過剰な無駄な活動が横行している。ここで挙げた例は、そのほんの一部に過ぎない。しかし、実際に取り組んでいる本人たちはいたって真剣であり、「記録を取る」という行為をしない者は近代化への意欲が低いと見なされてしまう。 言い換えれば、... -
ある検討会
K工場では、受注処理や生産指令の報告手続きが煩雑で、必要な情報が適切に伝わらない状況にあった。生産計画書に至っては、24部も発行される始末。この非効率をどうにかしてほしい、というのが要望だ。 「他人に頼らず、自分たちでやれ」と言い放ち、関係... -
近代化への夢想から覚めよ
戦後の企業近代化の流れは、基本的に望ましいものである。厳しい競争を勝ち抜く上で必要不可欠であることも間違いない。しかし、その方向性を誤っている企業があまりにも多いのが現状だ。特に、管理部門の業務において、その問題が顕著であると言えるだろ... -
社長の疑問
Z社は業績が優秀な中小企業だ。しかし、社長には間接部門の肥大化という悩みがあった。ある日、社長がこんな質問を投げかけてきた。 「これからの企業経営は、経験や勘だけでは限界がある。科学的な管理がどうしても必要だと思い、合理化に力を入れてきた... -
我社の未来を築く
新商品や新事業という言葉ほど心を引きつけるものはない。それは、会社の利益を大きく伸ばし、未来の繁栄を手にする希望を秘めているからだ。だからこそ、多くの企業がこの挑戦に力を注いでいる。 しかし、実際に成功を収めている企業はどれほどあるだろう... -
我社の将来の予測から、新事業の必要性とその時期をとらえる
S社で長期事業構想書を作成した際のことだ。当時、サポートを始めてからすでに2年ほどが経過しており、事業は短期的には順調に進んでいた。その状況を踏まえ、社長は次なるステップとして長期的な構想に着手する決断を下した。それは、5年を見据えた計画だ... -
新技術開発というけれど
昭和48年の初め、A社の社長から連絡が入った。「T社が不渡り寸前まで追い込まれている。何とか仲間を集めて支援したい。資金は私たちが負担するから、経営面を一倉さんに任せたい」との依頼だ。事態は一大事だ。A社長や他の同志とともに、急ぎT社へ向かっ...