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占有率を忘れるな
静岡県清水市には、スター精密株式会社という企業がある。この会社は精密ネジと小型自動旋盤を主力製品とする優れたメーカーだ。会社の営業案内によれば、従業員数は約450人、月商は8000万円に達している。その主要製品が占める市場シェアは以下の通りだ。... -
限界生産者である得意先は爆薬に等しい
「うちには自社製品がないから占有率なんて気にする必要はない」と悠長に構えている場合ではない。部品加工を担う立場であっても、その部品を使って製品を組み立てている親会社の占有率が重要な意味を持つ。親会社が傾けば、下請けもその影響を免れること... -
生産性変化率格差
ある生産財メーカーで、激しい競争の中に身を置いていた。主材料である鋳物の価格が大幅に上昇するだけでなく、賃金や運賃も上がり続け、さらに諸経費の増加が経営を圧迫していた。 このままでは赤字に転落するのは明らかだ。一体どうすればいいのか。私は... -
社員大食堂
業績が芳しくない、実質的には赤字状態の中堅企業――営業利益が赤字で、土地売却益によってかろうじて利益を確保している――の新設工場を見学した際の話だ。 従来、工場がいくつにも分散しており、多くのムダが生じていたため、それらをこの工場に集約するこ... -
社長の乗用車
業績が低迷し、むしろ悪化の一途をたどっている従業員約200人の会社がある。社長は外国車で通勤し、応接室は立派なものが二つ備わっている。最近では電話交換機を導入し、専属の交換手を二名配置、さらに守衛所を建設して守衛も二名雇い入れたという。そし... -
海の家
次に取り上げるのは、従業員約600人の中堅企業だ。実質的には赤字経営の状態であり、土地を売却して得た利益で収益を補填し、配当を実施している。この状況では、もはや製造業としての本質を失い、不動産業に近い存在といえる。 財務分析を進めた結果、全... -
大邸宅
赤字経営の会社が一つある。その会社は立派な邸宅を所有している。その価値は現在、三千万円を超えると言われている。数年前、業績が好調だった頃に購入したものらしい。 赤字経営のため資金繰りに苦しんでいる。その状況を受けて、社長は大邸宅を担保に銀... -
あちらでもこちらでも
一倉が極端な例ばかり持ち出していると思う読者もいるだろう。確かに、問題の性質や本質を浮き彫りにするためにあえて極端な例を取り上げたのは事実だ。しかし、それは決して特別なケースではなく、わずかな程度の違いにすぎない。 自分の限られた経験の中... -
経営者の自重を
多くの企業では、過剰な固定資産投資というよりも浪費とも言える行為が横行している。一体これは何が原因なのか。何かが根本的に狂っているとしか思えない状況だ。 企業の使命は経済的価値を創出することに他ならない。であるならば、経営者の下すすべての... -
扶養家族
赤字に苦しむT製作所は、約150名の規模を持ちながら、営業部門には部長と呼ばれる担当者が一人いるだけという、極端に営業を軽視した企業だ。 社長自身は営業を軽視しているつもりはなく、自社の技術力だけで経営を成り立たせられると考えていた。しかし、...