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飾らずとも人は集まる──“静かな徳”が世界を動かす
『老子』第三十五章「仁德」 1. 原文 執大象、天下往。往而不害、安平太。樂與餌、過客止。道之出言、淡乎其無味。視之不足見、聽之不足聞、用之不可既。 2. 書き下し文 大象(たいしょう)を執(と)れば、天下往(ゆ)く。往きて而も害あらず。安(やす... -
主張せずに育てよ──“無名の力”が真の偉業を成す
『老子』第三十四章「任」 1. 原文 大道汎兮、其可左右。萬物恃之而生而不辭。功成而不名有。衣養萬物而不為主。常無欲、可名於小。萬物歸焉而不為主、可名為大。是以聖人能成其大、以其終不自為大、故能成其大。 2. 書き下し文 大道は汎(ひろ)くして、... -
己を知り、己に勝て──“真の強さ”は内にある
『老子』第三十三章「辯德」 1. 原文 知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。知足者富、強行者有志。不失其所者久、死而不亡者壽。 2. 書き下し文 人を知る者は智(ち)なり、自らを知る者は明(めい)なり。人に勝つ者は力有り、自らに勝つ者は強し... -
名にとらわれず、道に従え──“無名の徳”が人を導く
『老子』第三十二章「德」 1. 原文 道常無名。樸雖小、天下莫能臣。侯王若能守之、萬物將自賓。天地相合以降甘露、民莫之令而自均。始制有名。名亦既有、夫亦將知止。知止可以不殆。譬道之在天下、猶川谷之於江海。 2. 書き下し文 道は常に名無し。樸(ぼ... -
勝っても喪礼──誇らず、哀悼と敬意をもって成果を受け止めよ
『老子』第三十一章「偃武」 1. 原文 夫兵者不祥之器。物或惡之、故有道者不處。君子居則貴左、用兵則貴右。兵者不祥之器、非君子之器。不得已而用之、恬澹為上。勝而不美、美之者、是樂殺人。夫樂殺人者、則不可以得志於天下矣。吉事尚左、凶事尚右。偏將... -
果して誇らず──真の強さは、控えめに成し遂げる力
『老子』第三十章「儉武」 1. 原文 以道佐人主者、不以兵強天下。其事好還。師之所處、荊棘生焉。大軍之後、必有凶年。善者果而已、不以取強。果而勿矜、果而勿伐、果而勿驕、果而不得已、果而勿強。物壯則老、是謂不道、不道早已。 2. 書き下し文 道を以... -
操作せず、調和せよ──“無為の徳”が秩序を保つ
『老子』第二十九章「無為」 1. 原文 將欲取天下而爲之、吾見其不得已。天下神器、不可爲也。爲者敗之、執者失之。故物或行或隨、或歔或吹、或強或羸、或挫或隳。是以聖人去甚、去奢、去泰。 2. 書き下し文 将(まさ)に天下を取らんと欲してこれを為(お... -
柔にして強く、影を抱き、自然に立つ──“本質に帰る力”が人を導く
『老子』第二十八章「反朴」 1. 原文 知其雄、守其雌、爲天下谿。爲天下谿、常德不離、復歸於嬰兒。知其白、守其黑、爲天下式。爲天下式、常德不忒、復歸於無極。知其榮、守其辱、爲天下谷。爲天下谷、常德乃足、復歸於樸。樸散則爲器。聖人用之、則爲官長... -
痕跡なき成果、見限らぬ人──真の力は静かに働く
『老子』第二十七章「巧用」 1. 原文 善行無轍迹、善言無瑕讁、善數不用籌策。善閉無關楗而不可開、善結無繩約而不可解。是以聖人常善救人、故無棄人;常善救物、故無棄物。是謂襲明。故善人者、不善人之師。不善人者、善人之資。不貴其師、不愛其資、雖智... -
静かにして重くあれ──軽率な言動は信を失う
『老子』第二十六章「重德」 1. 原文 重為輕根、靜為躁君。是以聖人終日行、不離輜重。雖有榮觀、燕處超然。奈何萬乘之主、而以身輕天下?輕則失本、躁則失君。 2. 書き下し文 重きは軽きの根たり、静かなるは躁がしきの君たり。是を以て、聖人は終日行く...