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小国は奪えても、天下の心までは奪えない
孟子は、仁を欠いた者でも、一時的に一国を支配することはありうると認めつつ、中国全土=天下を治めた例はないと断言する。それはつまり、不仁の者は一時の権勢を握ることはできても、永続的な天下の信任を得ることは決してできないということを意味して... -
賢者を信じて任用し、礼と政治を整えることが国の根幹
孟子は、国を正しく治めるために不可欠な三つの柱を示している。それはすなわち、仁賢(=徳と才を備えた人材)を信じて用いること、礼義(=社会の規律)を尊重すること、そして政事(=政治と政策)を機能させることである。 一つ目に、仁者・賢者を登用... -
名誉を重んずる心が、小欲に負けぬ人格を育てる
孟子は、名誉(名)を大切に思う人の気高い在り方に注目する。そうした人物は、たとえ「千乗の国(=大国の統治権)」のような重い責任や権勢でさえ、自分の名を守るためなら譲ることができる。 その一方で、名を重んじぬ者、または真に節義を備えていない... -
名を重んじる者は、大事を譲ることができる
孟子は、「名を好む人」、つまり名誉や誇りを重んじる者の気高さを語っている。こうした人物は、たとえ千乗(せんじょう)の国=大国の支配権であっても、自らの節義に反するならば、進んでそれを他人に譲ることができる。 一方で、名を重んじない者、すな... -
利に備え、徳を磨く者は、災いや乱れに屈しない
孟子は、**現実的な利益への備え(利)と、人間性の根本たる道徳的修養(徳)**の両方に通じていることの大切さを語った。利に明るく用意周到な者は、たとえ凶作や飢饉の年であっても、命を落とすことはない。同様に、徳を積み、心を磨き続けている者は、... -
自らが正しくなければ、誰も従わない
孟子は、人に何かを行わせたいのであれば、まず自分がその「道」を体現しなければならないと説いた。たとえ最も身近な存在である妻や子どもでさえも、自らが道を外れていれば、その影響は届かない。 言葉だけで人を動かそうとしても、それが自分の生き方と... -
権力は民を守るためにあり、搾取のためではない
孟子は、関所の本来の役割と、当時の関所の現状を比較して、厳しく批判した。もともと関所は、外敵や乱暴者を防ぎ、民の安全を守るための防衛施設だった。しかし今では、通行する民から税金や賄賂を徴収し、かえって民に暴力的な苦痛を与える場と化してし... -
他人の親を殺すことは、やがて自分の親を殺すことに通ずる
孟子は、人の親族、とりわけ父や兄といった近親を殺すことの罪の重さを、あらためて深く実感したという。人の父を殺せば、その報復として自分の父も殺される。兄を殺せば、同じく自分の兄が報いを受ける――これは自分自身が手を下さずとも、結果として自分... -
境遇が変わっても、心を変えずに生きる
孟子は、聖人舜の生き様を引き合いに出し、どんな境遇であっても動じず、安らかに生きる姿勢の尊さを説いた。舜は天子となる前、庶民として質素な食事――乾飯と草菜――を口にし、貧しくともそれを当然のように受け入れていた。その生活を生涯続けるのだとし... -
道具は与えられても、上達するかは自分次第
孟子は、技術の習得における「主体的な努力」の重要性を説いている。たとえば建具屋や大工、車輪や車台をつくる職人たちは、人に道具の使い方は教えられるが、「器用にさせる」ことはできない。 つまり、知識や手法は教えてもらえるが、それを活かして自ら...