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真に強き者は、怒りを超えて人を見る
一、原文の要点と現代語訳(逐語) 坊主の嘘に怒り、拷問を命じるように見えた直茂公だったが、実はその嘘を最初から見抜いていた。家臣・藤島生益は、主君にだまされたと感じて怒るが、主君はこう返す: 「その方は本当だと思ったから怒っているのだ。わ... -
報いを求めず、ただ尽くす。それが真の忠義
一、原文の引用と逐語訳 主君に忠節、朋輩に懇切など、不部にしてすれば、却って仇になることあり。この心を信玄の壁書に、『忠節述懐・述懐謀叛・謀叛没落』と書き記され候。御褒美これなき時、少しも恨み奉らず、いよいよ忠節を尽くすべし。頼母しをして... -
耳を閉ざせば、真実も去る
一、原文の引用と逐語訳 人の意見を申す時は、役に立たぬ事にても、恭しと深く請合ひ申すべきなり。左様に仕らず候へば、重ねて見付け聞付けたる事をもいはぬものなり。なにとぞ心安く意見をいひよき様に仕なして、人に云はするがよきなり。 現代語訳(逐... -
耳の痛い言葉こそ、魂を磨く砥石なり
一、原文の引用と逐語訳 世に教訓する人は多し、教訓を悦ぶ人は少し。まして教訓に従ふ人は稀なり。年三十も越えたる者は、教訓する人もなし。教訓の道ふさがりて、我がままなる故、一生非を重ね、愚を増して、すたるなり。道を知れる人には、なにとぞ馴れ... -
欠点を責めるな、徳を引き出せ
一、原文の要点抜粋と現代語訳(逐語) 他人のくせを直すのは、自分のくせを直すよりむずかしいものである。どんな相手でもいいかげんな付き合い方をせず、見知らぬ者からも慕われるように心がけよ。 意見は、相手の性質に応じた言い方で、相手の「好きな... -
聞かぬふりは、信と品のある叱責
一、原文の引用 野田七右衛門へ西日山心遣仰付け置かれ候処、自分に本を伐り売払ひ候由、御日付より言上仕り候。その後七右衛門、御前に罷出で候時分、潜かに仰聞けられ候は、「斯様の事を聞き候。其方は左様の儀仕るまじく候。いか様似たる事を人の沙汰致... -
一度の過ちを許せぬ者に、人は育てられぬ
一、原文の引用 何某立身御詮議の時、この前大酒仕り候事これあり、立身無用の由衆議一決の時、何某申され候は、「一度誤これありたる者をお捨てなされ候ては、人は出来申すまじく候。一度誤りたる者は、その誤を後悔致すべき故、随分嗜み候て御用に立ち申... -
落ち目に寄り添える者こそ、本当の仲間
一、原文の引用 「人の心を見んと思はば煩へ」と云ふことあり。日頃は心安く寄合ひ、病気または難儀の時大方にする者は腰抜なり。すべて人の不仕合せの時別けて立入り、見舞、付届仕るべきなり。恩を受け候人には、一生の内疎遠にあるまじきなり。斯様の事... -
恥を隠すは、真の思いやり
一、原文の引用 松平大和殿へ綱茂公そのほか御客夜会、御旗本老人北見久太夫殿相越され、古戦の話これあり。夜更け候てより、給仕の小姓銚子を持ち、つまづき候て、久太夫殿膝に酒を打ち懸け、無興にて赤面致し罷立ち候。余の小姓罷出で、久太夫殿を次の間... -
誤解を恐れるな、卑怯を恐れよ
一、原文と現代語訳(逐語) 原文(聞書第八より) 先年川上お経の内、紺屋町田代辺の者五六人参詣致し、途中にて酒をたべ、時を移し居り申し候。その内、久左衛門被官、宿許へ早く帰らず候て叶はざる事候故、同道人にも断り申し、日の内に罷帰り候。然る...