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同じ内容でも、言い方一つで評価は逆転する
一、原文と逐語訳 原文: 勝茂公、「お鷹師何某は、用に立つ者にて候や」と、頭人にお尋ね遊ばされ候。そのお請けに、「右の者は、不行跡者にて何の役にも立ち申さず候へども、お鷹一通りは無類の上手にて候」と申上げ候に付て、即ち御褒美下され候。その... -
見舞いの一言は、心の真価をあらわす
一、原文と逐語訳 原文: 人の難に逢たる折、見舞に行きて一言が大事のものなり。その人の胸中が知るるものなり。兎角武士はしほたれ、草臥るるは疵なり。勇み進みて、物に勝ち浮ぶ心にてなければ、用に立たざるなり。人をも引立つる事これあるなり。 逐語... -
勝負を決するのは、一言の重み
一、原文と逐語訳 原文: 大難大変の時も一言なり。仕合せよき時も一言なり。当座の挨拶話の内も一言なり。工夫して云ふべき事なり。ひつかりとするものなり。確に覚えあり。精気を尽し、かねがね心がくべき事なり。これは、めつたに話しにくき事なり。皆... -
語らぬ慎みが、身を守る
一、原文と逐語訳 原文: 当時の差合ひになりさうなる事を言はぬものなり。気を付け申すべきなり。世上に、何かと、むつかしき事などこれある時は、皆人浮き立つて覚え知らずに、その事のみ沙汰する事あり。無用の事なり。わろくすれば、回引張りになるか... -
言葉数の多さに潜む“偽り”を見抜け
一、原文と逐語訳 原文: さもなきことを、念を入れて委しく語る人には、多分その裏に、申し分があるものなり。それを紛らかし隠さんために、何となく繰立てて語る事なり。それは、聞くと胸に不審が立つものなり。 逐語現代語訳: 大したことでもないのに... -
もてなしは“その人のためだけ”に用意された誠意のかたち
一、原文と逐語現代語訳 原文: 客人の取持には、座敷、器物まで新しく、わざと用意して、初めてその客にひらくが馳走なり。 現代語訳(一文ずつ): 客人をもてなす際には、部屋のしつらえや器に至るまで新しく用意して、 その人のために初めて使うのが、... -
礼儀は細部に宿る──あくびとくしゃみの作法
一、原文の内容(現代語訳) 人前であくびをするのは、きわめて無作法な振る舞いである。 思わずあくびが出そうになった場合は、 額を撫で上げれば止まることが多い。 あるいは、舌で唇をなめて口を開けずにこらえる。 または、襟の内袖を使って隠す、ある... -
上にあっても、礼は下るにあり
一、現代語訳と要約 ある日、私(山本常朝)がある屋敷において、主(ある人物)と談話を交わしていた。すると、途中で一人の出家(坊さん)が訪ねてきた。 そのとき、主は上座にいたにもかかわらず、わざわざ末座に下りて一礼し、丁寧に挨拶を交わしたの... -
訪うも迎うも、思いやりが肝心
一、現代語訳(要約) 訪問する側の心得 人を訪ねるときは、あらかじめ連絡してから行くのがよい。相手に用事があるかもしれず、また心に気がかりなことがあるときに突然訪ねては、相手の迷惑になり、楽しい会話もできなくなる。 基本的には、招かれなけれ... -
立場に応じて諫める、仕組みで支える忠義の道
一、現代語訳(要約) 主君に誤りがあるとき、それを正さねばならない。しかし自分がそれを直接進言できる地位にないならば、しかるべき立場にある者に託してでも主君を正すよう働きかけるのが、真の忠義である。 そのためには、普段から上役や側近と良好...