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士が位を失うとは、国家が祀りを失うこと
― 志ある者にとって「仕える」とは、単なる地位ではない 周霄が続けて問う。「たった三ヶ月仕えないからといって、なぐさめを送るのは大げさではないか」と。これに孟子は、厳粛に答えた。 士(し)にとって「仕える」ということは、生活の手段や名誉以上... -
真の君子は、仕えるべき君を待ち続ける
― 志ある者は、ただ黙して時を待つにあらず 魏の周霄が孟子に問う。「昔の君子は、本当に君に仕えていたのか」と。これは孟子が積極的に仕官せず、あくまで自らの節を守る姿勢を貫いていることに対する、皮肉を込めた問いでもあった。 孟子は答える。「も... -
真の大丈夫は、仁・礼・義を貫く人
― 富貴にも屈せず、貧賤にも動じず、威武にもひるまぬ心の力 縦横家の景春は、外交術で諸侯を動かした公孫衍や張儀こそ「大丈夫(だいじょうふ)=男の中の男」だと讃えた。だが孟子は、それに強く反論する。諸侯の顔色をうかがい、利を追い、怒れば恐れら... -
曲げた己には、他人を正す力は宿らない
― 志を貫くためには、己を偽らない覚悟が要る 孟子は、志士としての節義を貫くため、諸侯にへりくだることを拒み続けた。前項の続きとして、彼は趙簡子とその御者・王良の逸話を引いて、信念を曲げてまで成果を追う愚かしさを語る。 名御者・王良は、礼法... -
正しさを貫く覚悟は、礼を守るところにあらわれる
― 苦境を恐れず、利に惑わされない志士の姿勢 孟子は、諸侯にへりくだって会おうとしない理由を、弟子の陳代に問われた。陳代は「わずかに自分を曲げてでも、諸侯と会えば大きなことが成し遂げられる」と説く。だが孟子は、形式であっても礼を欠く招きには... -
道理にかなった真心は、人の心を動かす
正論を超えるのは、人情と理が合わさった言葉である 孟子は語る: 「昔の時代には、親が死んでも葬らない人々がいた。死んだ親を谷に捨て、そのまま放置していた」 だが、ある日その谷を通りかかると―― 狐や狸が死体を食い、 蠅やぶよ、けらが群がってむさ... -
思想に軸がなければ、行動はぶれる
根本が二つあると、矛盾と混乱を生むだけである 墨子を信奉する夷之(いし)は、孟子の批判に反論するために『書経』の一節を引用する: 「昔の聖人は民を保ち愛すること、赤子を保んずるがごとし」⇒ つまり、儒家も「無差別の愛」を説いているのではない... -
他の思想に向き合い、正しさをもって論破せよ
間違いに目をつぶるのではなく、誠をもって正すことが仁の道 ある日、**墨子の思想を信奉する夷之(いし)**が、孟子に会いたいと申し出てきた。このとき孟子は病のため、こう答える: 「会いたいと思ってはいるが、今は病気中だ。病が治ったら、私のほう... -
平等とは、差を認めることから始まる
悪平等は人のやる気を削ぎ、偽りを招く 陳相は孟子の激しい批判に対して、話題をそらすようにこう言い出す: 「許行の考えにも良い点があります。たとえば、すべての物の価格を等しくする制度はどうでしょう。それが実現すれば、子どもですら市場で騙され... -
変わるなら、正しい方向へ。進むべきは高きところ
変化は成長であれ。退化ではない 孟子は、弟子たちが南方の思想家・許行の説に心酔し、本来の師や伝統の教えを捨てていることに激しく反論する。 許行とは何者か **南蛮(なんばん)**と呼ばれる文化的辺境の地の出身 鴃舌(げきぜつ)――もずの鳴き声のよ...