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民と喜びを共にする者こそ、真の王に近づく
孟子は語る。もし王が音楽を奏でているとき、民がその音色を聞いて心から喜び、互いに言い合うようであれば——「我が王はお元気にちがいない。でなければ、あれほど楽しげに音楽を奏でることなどできまい」と。 また王が狩りに出かけたとき、民がその華やか... -
自分だけが楽しむ王に、民は苦しみを覚える
音楽を好む王が、もしその喜びを民と分かち合わず、ただ自らの楽しみのために用いるのであれば――それは、民が苦しむ政治のしるしに他ならない。 孟子は、王が演奏を楽しんでいるときに民がどのように感じるかを描写する。彼らは鐘や太鼓、笛の音を聞いて頭... -
一人で楽しむより、皆で楽しむ音楽に心が向くなら、その王は仁政に近づいている
ある日、孟子は王に直接たずねた。「以前、荘暴に音楽を好むとおっしゃったそうですね」。王は恥ずかしげに答えた。「私は先王たちが用いたような由緒ある音楽を愛しているわけではなく、ただ今の流行の音楽が好きなだけなのだ」。 それを聞いた孟子は、「... -
音楽を愛する王は、民を和らげ、国を治める道を開く
王が音楽を好むと聞いて、家臣の荘暴は判断を迷った。しかし孟子は、王が心から音楽を好むのであれば、斉の国がよく治まる兆しと断言した。 ここでの「音楽」は単なる娯楽ではない。それは「和」をもたらす力であり、礼とともに人の心と社会を調和させる文... -
豊かな生活基盤と教育が、王者への道をつくる
孟子は、仁政を実現するための政策を次のように具体的に提示します。これは、実現可能で段階的な国家ビジョンであり、理想論ではなく施策提言です。 ① 基本的な生活の保障 孟子は、以下の三点を挙げて、老いても穏やかに暮らせる社会のモデルを描きます: ... -
教育や道徳の前に、まず民を飢えさせないこと
孟子は、歴代の明君(賢明な王たち)の基本姿勢についてこう述べます: 「明君たちは、まず民の“産”――生活手段を安定させる政策を行った。上を見ては親に仕えられ、下を見ては妻子を養うことができるようにし、豊作の年には長く飽きるほどの生活を保障し、... -
安定した暮らしがなければ、安定した心も育たない
宣王は、孟子の助言を受けて率直にこう語ります。 「私は愚かで、仁政の道をすぐに実践できるとは思わない。だが、志はある。どうかその志を助け、明確に教えてほしい。愚か者ではあるが、何とか一つ試してみたいのだ」 この謙虚な姿勢に対して、孟子は本... -
仁政を行えば、天下は自然と集まる
孟子は、武力による支配を否定した上で、仁をもって政治を行えば、民は自ずから集まると説きます。 そして、「王がもし仁政を施せば…」と仮定し、次のような具体的な未来像を描きます: 天下の人々の心を引き寄せる「仁の吸引力」 仕官希望者(=優れた人... -
誤った手段は成果を遠ざけ、やがて破滅をもたらす
前節で、孟子は「王の覇道への欲望は、まるで“木に登って魚を求めるようなもの”」と比喩しました。 それを受け、王は問います。 「それほどまでに、誤った方法というのは恐ろしいものなのか?」 孟子は答えます。 「いいえ、それよりもさらに悪いことです... -
木に登って魚を捕ろうとするような、誤ったやり方では何も得られない
孟子は、王に問いかける。 「王よ、戦争を起こして家臣の命を危険にさらし、諸侯から憎まれ、その末に得るものに、果たして心が満たされているのですか?」 王は正直に答える。 「いや、快くなどない。だが、私は“自分の大きな欲望”を果たしたいから、やむ...