目次
■原文(日本語訳)
すべてのヨーギンのうちでも、私に心を向け、信仰を抱き、私を信愛する者は、「最高に専心した者」であると、私は考える。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第47節
■逐語訳(一文ずつ)
- すべてのヨーギンのうちでも、
- 心を私に向け、
- 信仰をもって私を愛する者は、
- 最も専心した者(=最上のヨーギン)であると、私は考える。
■用語解説
- ヨーギン:ヨーガの修行をする者。心身を制御し、神(クリシュナ)との合一を目指す実践者。
- 私(=バガヴァーン):この章では神クリシュナ自身を指す。宇宙の本源にして、人格神。
- 信愛(バクティ):神への純粋な愛と信仰。思慕の情をもって神に心を向ける態度。
- 最高に専心した者(bhaktimān):心をすべて神に向け、愛によって一体化した人。
■全体の現代語訳(まとめ)
あらゆるヨーギンの中で、私(神)に心を向け、信仰をもって私を深く愛する者こそ、最も専心したヨーギンであると、私は考える。
■解釈と現代的意義
第6章の結論として、クリシュナはヨーガの中でも「バクティ・ヨーガ(信愛の道)」を最上と位置づけます。
つまり、単なる修行や知識の実践ではなく、「心から神を愛する」ことが最も尊いヨーガだというのです。
これは、最終的にヨーガが知的訓練や肉体的苦行を超えた「心の献身と一体感」に到達するという思想です。
**行動(カルマ)・知識(ジュニャーナ)・信愛(バクティ)**が三位一体として統合される場がここにあります。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 解釈・応用 |
---|---|
真のリーダーシップ | 組織やビジネスに対して、単なる技術やスキルではなく「心からの信念と愛情」をもって関わる人が信頼される。 |
モチベーションの源泉 | 自己超越的な使命感(信愛)がある人は、ぶれず、長く貢献できる。 |
顧客との関係 | 顧客を「愛する」姿勢をもつ人は、結果的に信頼を得て成功する。 |
経営と信念 | 単なる分析や実行力だけでなく、「事業に心を込めること」が成果を生む。 |
■心得まとめ
「心をこめる者が、もっとも強い」
あらゆる修行の中で、
あらゆる知識の先に、神(理想・使命)への
揺るぎない信念と愛を持つ者。それこそが、
真に優れた道を歩む者。――あなたがすべきことは、愛し、信じ、集中すること。
コメント