1. 現在の「経営学」はその本質を捉えていない
現在、一般に「経営学」として認識されているものは、実際のところ本質から大きくかけ離れています。故・新居崎邦宣氏の言葉を借りれば、「ベストセラーの経営学入門書を読んでみたが、そこには経営学の本質は一切記されていなかった。ただ一部のコントロール手法が羅列されているだけだった」と述べられており、この指摘は的を射たものです。
2. 経営学は「社長学」に近い存在である
経営学とは、ある意味では「社長学」に近い性質を持つものではないでしょうか。もしこの「社長学」が簡潔にまとめられる性質のものであれば素晴らしい話ですが、現実には経営を深く掘り下げていくと、それが極めて複雑であることが明らかになります。ところが、日本で広く学ばれている経営学の現状は、単なる管理手法や雑多な議論を集めたに過ぎないものになっています。
3. 表面的な管理論に終始する現状の問題
現在主流の経営学は、企業の本質に迫るものではなく、むしろその「表面的な部分」にばかり焦点を当てています。責任と権限の明確化や業務の標準化といった静的な組織論に偏っており、それらは経営を本質的に探求するものとは言えません。結果として、それは経営そのものから遠ざかった、管理論の一部に過ぎないのです。
4. 経営の本質は経済的価値の創出にある
企業の存在目的は、経済的価値を創造することにあります。そのため、経営とは本来、価値を生み出す活動そのものです。しかし、多くの経営学の専門家たちは、この基本的で重要な事実を十分に理解していません。彼らの興味は、経済的成果を生み出しそうな方法や、成果を計測する技術に向けられており、それ以上の深い洞察が欠けているのが現状です。
5. 部分的な成果に囚われる危険性
企業内部で得られる部分的な成果が、必ずしも企業全体の成果に結びつくとは限りません。それどころか、部分的な成果に注目しすぎることで、企業全体の成果が損なわれるケースも多く存在します。本来の経営の目的は、全体の成果を最大化することであり、部分的な成果を追求することではありません。この事実を無視したままでは、現在の経営学が行っていることは単なる管理技術の深化に過ぎず、それは経営の本質とは程遠いものです。
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