束縛を断つ者が、真の自由に至る

2025年6月26日

📜 原文（第三九節）

愚人は束縛によって迷っているが、
賢者は束縛を断ち切る。
聡明な人は束縛を取りのぞいて、
ここに神々と人間とのすべての束縛を断ち切って、
あらゆる苦しみから解脱する。

語句	意味
束縛（バンダナ）	欲望・執着・怒り・無明などの煩悩による心の制約。輪廻の因となる。
愚人	真理を知らず、世俗の欲望や感覚的快楽に執着する者。
賢者・聡明な人	執着を見極め、心の自由を目指して実践する人。
神々と人間の束縛	欲界・色界・無色界すべての世界における因果的縛りの超越。
解脱（ヴィムッティ）	苦しみの原因を断ち、輪廻から解き放たれた自由な境地。

この句が教えているのは、**「人生の苦しみの根本原因は、外ではなく“心の束縛”にある」**という仏教の根本的な洞察です。
人は何かにしがみつくことで苦しみを生み、またそれに縛られることで真の自由を失います。

観点	説明と適用例
感情の束縛	失敗や評価への恐れ・怒りに縛られると、判断が鈍る。冷静さと俯瞰力が必要。
成果への執着	短期成果ばかりを追い求めると、本質を見失い、組織が疲弊する。
名誉・地位への依存	役職や賞賛が「アイデンティティ」になると、柔軟性と誠実さを失う危険。
手放す力	過去の成功体験、価値観、人間関係すら、状況に応じて手放す勇気が必要。

「賢者は“縛り”を知り、聡者は“縛り”を超える」
人を苦しめるのは、他人ではなく、自分の内にある“見えない縄”である。
それを断ち切ったとき、人は初めて「自由な人生」を歩み始める。
ビジネスも人生も、真の成功は“手放す力”にこそ宿る。

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