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■引用原文(日本語訳)
「私は万物に対して平等である。私には憎むものも好きなものもない。しかし、信愛をこめて私を愛する人々は私のうちにあり、私もまた彼らのうちにある。」
(第9章 第29節)
■逐語訳
「私はすべての存在に対して平等である。私には、誰かを憎み、誰かを好むということはない。だが、私を愛し、信愛をもって私に帰依する者には、私は存在し、彼らも私のうちにある。」
■用語解説
- 平等(samaḥ):いかなる存在にも偏りなく接すること。
- 信愛(bhakti):深い信頼と愛をもって神を思う心。
- 私のうちにあり、私も彼らのうちにある(mayi te teṣu cāpy aham):神と信者との相互浸透・一体化を意味する。
■全体の現代語訳(まとめ)
私はすべての存在に対して公平である。誰をも特別に憎まず、また特別に愛することもない。しかし、真心から私を愛する人々とは、互いにその存在を分かち合っている。私は彼らの内にあり、彼らも私の中にいる。
■解釈と現代的意義
神は全存在に対して偏りなく接するが、自ら求める者には特別な近さが生じるという逆説的な真理を述べています。これは、「選ばれし者」がいるのではなく、「選ぶ者」が神に近づくという能動的信仰のメッセージです。
信愛とは、神の特別な恩寵を引き出す鍵ではなく、その人自身が神と共にある状態を実現する力です。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
公平性と能動的関与 | 組織のルールや上司の方針は平等であっても、自ら積極的に関与する人がより多くの機会を得る。 |
一体感と信頼の絆 | 本気で理念を信じ、行動する社員は、組織と一体化したような働き方をする。そこにこそ真の忠誠や創造性が宿る。 |
恩恵は「選ばれる」ものではなく「近づく」もの | 特別扱いを待つのではなく、主体的に信頼関係を築くことで、真の成長と連携が得られる。 |
■心得まとめ
「公平の原理の中で、信じる者こそ深く結ばれる」
偏りなく与えられる環境の中で、信をもって関わる者にこそ、真の一体感と力が宿る。
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