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取締役会とは?概要から役割、運営方法、注意点までを解説

取締役会(とりしまりやくかい)は、株式会社において経営の意思決定や監督を行うための重要な機関です。取締役会を設置することで、会社の経営に関する方針や戦略が適切に議論され、実行に移されます。

この記事では、取締役会の基本的な仕組み、役割、構成、運営方法、さらに注意点について詳しく解説します。


1. 取締役会とは?

取締役会は、会社法に基づいて設置される株式会社の意思決定機関の一つです。取締役会を設置することにより、会社の重要事項について複数の取締役が議論し、集団で意思決定を行うことが可能になります。

法的定義

  • 設置義務:公開会社(株式譲渡制限がない会社)や監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社では取締役会の設置が義務付けられています。
  • 構成メンバー:会社法上、取締役会を設置するには、取締役が3名以上必要です。

2. 取締役会の役割

取締役会の役割は大きく分けて以下の2つです:

1. 経営の意思決定

取締役会は、会社の経営に関する重要事項を決定します。具体的には:

  • 経営方針や事業計画の策定
  • 資金調達や投資計画の決定
  • 組織変更や重要な取引の承認

2. 業務執行の監督

取締役会は、取締役や代表取締役が行う業務執行を監督します。これにより、会社の経営が適正に行われるようチェック機能を果たします。


3. 取締役会の構成

取締役会の構成メンバーは、主に以下のように分かれます:

  1. 取締役
  • 取締役会のメンバーとして、会社の経営に関与する。
  • 最低3名以上が必要。
  1. 代表取締役
  • 取締役会が選定し、会社を代表して意思決定を実行する。
  1. 外部取締役(社外取締役)
  • 独立性を持ち、会社の監督機能を強化するために選任される。
  1. 監査役(監査役設置会社の場合)
  • 取締役会の運営や意思決定の適法性を監査。

4. 取締役会の運営

会議の開催

取締役会は定期的または必要に応じて開催されます。

  1. 開催頻度
  • 法律上、開催頻度に明確な規定はありませんが、定期的な開催が推奨されます(例:月1回)。
  1. 招集通知
  • 原則として、取締役会の招集通知は会議の1週間前までに発出する必要があります。ただし、取締役全員の同意があれば省略可能です。
  1. 議長
  • 議長は通常、代表取締役が務めます。

会議の議事録作成

取締役会終了後、以下の内容を含む議事録を作成します:

  • 会議日時、場所
  • 出席取締役の氏名
  • 議題および決議事項
  • 発言の要旨(必要に応じて)

議事録は法律上、10年間保存する義務があります。

決議の要件

取締役会の決議は、原則として過半数の出席および出席者の過半数の賛成で成立します。


5. 取締役会の注意点

1. 適法な運営

  • 取締役会の運営が会社法に違反すると、決議が無効となる可能性があります。
  • 特に、招集通知の手続きや議事録の作成には細心の注意が必要です。

2. 取締役の責任

  • 取締役には会社に対して善管注意義務および忠実義務が課されています。
  • 違法な行為や著しい経営判断ミスがあった場合、取締役が損害賠償責任を問われることがあります。

3. 監督機能の強化

  • 外部取締役を活用することで、取締役会の監督機能を向上させることが推奨されています。

4. 利益相反取引の管理

  • 取締役が会社と取引を行う場合は、取締役会の承認が必要です。これを怠ると無効となる可能性があります。

6. 取締役会のメリットとデメリット

メリット

  1. 意思決定の透明性
    経営の重要事項を複数の取締役で議論するため、意思決定の透明性が確保されます。
  2. リスク管理の強化
    取締役会による監督機能が働くため、業務執行におけるリスクを軽減できます。
  3. 外部取締役の導入
    外部の視点を取り入れることで、客観的かつ独立性の高い経営が可能。

デメリット

  1. 意思決定の遅延
    多くの取締役が関与するため、意思決定に時間がかかる場合があります。
  2. 運営コストの増加
    会議の招集、議事録作成、法務対応など、運営にかかるコストが発生します。
  3. 責任の分散リスク
    多数決での意思決定が行われるため、取締役個々の責任感が希薄になる場合があります。

まとめ

取締役会は、株式会社の経営方針や重要事項を決定し、業務執行を監督するための重要な機関です。法的要件を遵守しつつ、効率的な運営を行うことで、会社全体の経営透明性や信頼性が向上します。

運営方法や法的な手続きについて不安がある場合は、専門家(弁護士や司法書士)に相談し、適切な対応を講じることをおすすめします。

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