目次
📜 引用原文(二六)
ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、
その心は安らぎ(*)を楽しんでいる。
以上、第一五章『念いをおちつけて』。
🔍 逐語訳・用語解説
- 安らぎ(サンティ、涅槃):あらゆる煩悩・苦悩・執着を離れた静寂の境地。仏教において究極の目的地。
単なる感情的な安心ではなく、すべてを知り、すべてを手放した末に訪れる、深遠な精神的静けさ。 - 楽しんでいる:達成ではなく、「その在り方そのものを心から喜んでいる」完成された覚者の姿。
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
ガウタマ仏の弟子たちは、常に目覚めた意識を保っており、
何にも執着せず、何ものにも揺るがされず、
深く静かな心の安らぎを、まさに人生そのものとして楽しんでいる。
💡 解釈と現代的意義
この章句は、『第一五章:念いをおちつけて』の到達点です。
「目覚めた心」「瞑想」「不傷害」「空・無相・無所有」といった数々の実践を経た者が、
**最後にたどり着くのが、あらゆる音を超えた「静けさ=安らぎ」**です。
この安らぎとは、感情の起伏や成功の波のなかに一切巻き込まれない、
最も自由で、最も穏やかな精神の安住地。
それは、騒がしい現代社会の中でも、誰もが目指すことのできる心の理想郷でもあります。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 解釈と応用例 |
---|---|
ストレスからの解放 | 外的な評価や結果にとらわれず、今やるべきことに集中できる人は、内面が穏やかで安定している。 |
感情の統御 | 動じない心を持つ人は、クレーム対応・トラブル・交渉においても一貫した対応ができる。 |
リーダーシップの完成 | 静かな安定感を持つリーダーは、部下に安心感を与え、信頼される。 |
幸福観の転換 | 幸せとは「何かを得ること」ではなく、「何にも左右されない心を育てること」であると理解できるようになる。 |
✅ 心得まとめ
「求めず、恐れず、ただ静かに在ること。それが究極の安らぎである」
ガウタマの弟子たちは、修行の果てに得た心の静けさを、
ただそこにあることの喜びとして味わっている。
外に何も求めず、内にすでにある平安を見出す。
それが、「念いをおちつけて」辿りついた、最も深く、最も確かな境地です。
📚 第一五章『念いをおちつけて』完結に寄せて
この章は、二六の詩句を通して、覚者がいかにして心を調え、煩悩を離れ、清らかさと静寂を楽しむかを連続的に描いています。
それは単なる修行論ではなく、生き方の完成形を示しています。
ご希望があれば、第一五章全体(二六詩句)を「智慧と安らぎの手帳」「覚者の二十六のこころ」として小冊子・瞑想日録・ビジネス倫理資料にまとめてご提供することも可能です。どうぞお気軽にお申しつけください。
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