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怒りを超え、岩のように不動であれ


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📜引用原文(日本語訳)

一二*
風が吹いても岩山が動揺しないように、修行僧は、憎しみが滅びてなくなるから、岩山のようにゆるがない。
― 『ダンマパダ』 第二章 第十二偈


🔍逐語訳(文ごとの意訳)

  • 風が吹いても岩山が動揺しないように:強風にさらされても微動だにしない岩山のように、
  • 修行僧は:心を修めた者は、
  • 憎しみが滅びてなくなるから:怒りや敵意を完全に克服し、もはや心にそれが存在しないため、
  • 岩山のようにゆるがない:外からの攻撃や非難にも、一切動揺せず、不動の心でいられる。

📚用語解説

用語解説
憎しみ(瞋恚/しんに)仏教の三毒(貪・瞋・痴)の一つで、怒り・敵意・憎悪を含む。心を最も汚す感情のひとつ。
岩山の比喩堅固で動かず、外的な刺激に揺るがない「心の安定性」を象徴。
ゆるがない心感情の起伏に巻き込まれない、成熟した精神の象徴。サマーディ(定)や涅槃の前段階。

🪞全体の現代語訳(まとめ)

強風にさらされても岩山がびくともしないように、
心を修めた修行者は、怒りや憎しみを完全に克服したがゆえに、
たとえどんな挑発や非難があっても動じることはない。
その心は、山のように静かで、堅固である。


🧠解釈と現代的意義

この偈は、「怒りを手放すことによって得られる精神の安定」を説いています。
怒りはしばしば「正義感」や「反応力」と誤解されがちですが、仏教では「怒りこそがもっとも心を乱す毒」とされます。

怒りは一瞬で自他を傷つけ、人間関係を壊し、判断を誤らせます。
しかしそれを乗り越え、どんな攻撃にも反応せず、微笑みで返すことができる者こそ、真に自由で揺るがぬ人です。


💼ビジネスにおける解釈と適用

観点実践への応用例
アンガー・マネジメント怒りに支配されず、冷静に対応できるリーダーは、組織に安心感と信頼をもたらす。
クレーム対応や交渉時の冷静さ顧客や取引先からの厳しい言葉に動じず、感情を入れずに対応できる人材は希少で信頼される。
対人関係の安定怒りによる対立を避け、関係を壊さずに問題を乗り越える力は、チームやプロジェクトの持続性に直結する。
リーダーシップの成熟部下や外部からの批判に寛容でいられる上司は、心の広さと器を示し、尊敬される。

✅心得まとめ

「怒りに揺れぬ者こそ、真に強き者である」

怒りを返すのは簡単だ。しかし怒りに乗らず、微笑みで受け止められる人こそ、
内なる力を持ち、真に自由である。
岩のように揺るがぬ心を育てるためには、怒りを超えること――それが、現代にも通じる修行の道である。


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