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欲望のすべてを超えた、自由なる人


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第45偈)

人間の欲望を捨て、
天界の欲望を越え、
すべて世間の絆をはなれた人、

かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。


🔍 逐語訳(意訳)

  • 世俗的な欲望(富・快楽・名誉など)を完全に捨て、
  • 天界に生まれ変わりたいという高尚な欲求すらも乗り越え、
  • あらゆる束縛(しがらみ・とらわれ)から解放された人――
    その人を仏陀は〈バラモン〉と呼ぶ。

🧘‍♂️ 用語解説

用語解説
人間の欲望(マヌッサ・カーマ)地位、金銭、愛欲、栄誉などの世俗的欲求。
天界の欲望(デーヴァ・カーマ)来世の幸福、宗教的報い、天界への憧れなど、宗教的動機を含む高度な欲求。
世間の絆(ローカ・バンドハ)執着によって生まれる束縛、関係性へのとらわれ、存在の連鎖。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

この世の欲望を捨て去り、
あの世の報いへの欲も超え、
一切のしがらみから完全に自由になった者――
その人こそが、仏陀の説く〈バラモン〉である。


🧭 解釈と現代的意義

第45偈は、「人間的成功」「宗教的報酬」「対人関係や社会的役割」など、あらゆるレベルの執着を超えた存在を描いています。
これは「悟りとは、望みの形が変わっただけの執着からも自由になること」という仏教の核心を表しています。

私たちはしばしば「高尚な欲望(善人でありたい、救われたい)」を正当化しますが、この偈はそれすら超えた解放を理想とします。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
昇進・報酬からの自由社内評価や昇進を目的とせず、自己実現と価値提供に集中する。
信念と柔軟性の両立「正しさ」に執着せず、結果や承認から離れた柔軟で成熟した判断。
人間関係のしがらみにとらわれない迎合や敵対に巻き込まれず、冷静かつ誠実な対話を重ねる態度。
精神的自立誰かに認められたい、評価されたいという思いからの脱却。

💡 感興のことば:心得まとめ

「高尚な望みすら、手放したとき自由になる」

富を求めず、成功にも酔わず、
救いや報いすら超えて、
ただ静かに、ただ誠実に、
しがらみの無い心で生きる――
その人こそが、真に自由な智慧者〈バラモン〉である。

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