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信じる心が、人を高みへと導く


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📖 引用原文(日本語訳)

第一〇章 信仰 一
信ずる心あり、恥を知り、戒しめをたもち、また財をわかち与える——
これらの徳行は、尊い人々のほめたたえることがらである。
「この道は崇高なものである」とかれらは説く。これによって、この人は天の神々の世界におもむく。

※出典:『バガヴァッド・ギーター』第16章第1節(あるいは文脈上、補注的な章句の要素も含む)


📝 逐語訳

  • **信仰(シュラッダー)**を持つ者は、
  • **恥(ラージャ・ラージャス)**を知り、
  • **戒律(ヤマ・ニヤマ)**を守り、
  • **施し(ダーナ)**を行う。
  • このような徳は、聖者や賢者が賞賛する生き方である。
  • 彼らは「この道こそ崇高である」と説き、
  • これを行う者は、**神々の住む高き境地(天界)**へと昇る。

🧩 用語解説

  • 信ずる心(信仰・シュラッダー)
    自己の内にある真理や宇宙の原理に対するゆるぎない確信。他者や師、善行に対する信頼。
  • 恥を知る(ラージャス)
    道徳的規範や社会的責任を理解し、それに背いたときに感じる内なる声。
  • 戒めを保つ(ヤマ・ニヤマ)
    ヨーガや倫理的な行動規範。禁欲、正直、清潔などの精神的鍛錬。
  • 財を分け与える(ダーナ)
    物質的・精神的な施し。無私の行為であり、社会との調和と慈悲の象徴。
  • 尊い人々
    覚者・聖者・先達。正しい道を歩んだ者たち。
  • 天の神々の世界(スヴァルガ・ローカ)
    徳ある魂が死後に赴く、至福と安らぎに満ちた世界。報いとしての高次の存在領域。

💡 全体の現代語訳(まとめ)

信仰を持ち、慎み深く、自己を律し、惜しみなく分かち与える——
こうした資質を備えた人は、真に尊敬され、賢者たちはこのような道を「高貴なる道」とたたえる。これらの徳行を実践する者は、現世を超えた崇高な世界に至ると説かれている。


🔍 解釈と現代的意義

この章句は、「信じる力・倫理観・自己規律・利他性」という基本的でありながら忘れられがちな価値を、最高の生き方として位置づけています。

現代社会では、目に見える成果や地位ばかりが評価されがちですが、本当の評価とは「内面の徳」によるものであり、その積み重ねこそが人生を高みへ導く道だという示唆が込められています。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
信頼と誠実さ顧客や同僚、部下に対し、誠実であることが長期的な信用を築く。信念ある行動が組織文化の礎となる。
倫理とコンプライアンス法令順守はもちろん、見えないところでの正しさを保つことが、結果的に組織の持続性につながる。
分かち与える姿勢部下や他部署への知識・成果の共有が、チーム全体の向上と信頼の循環を生む。
人格の育成数字や成果ではなく「人格」で評価される人材こそ、リーダーにふさわしい。

✨ 心得まとめ

「信じる心が、人生の位を決める」
名誉も知識も、最後に残るのは「どう生きたか」という内面の徳である。
信念を持ち、恥を知り、与える人は、目には見えぬ高みへと自然に導かれる。
それがバガヴァッド・ギーターが教える、真の成功者の姿である。


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