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信愛を行動に――心を清め、すべてと和す者こそ至る


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■引用原文(日本語訳)

第55節:
「私のための行為をし、私に専念し、私を信愛し、執着を離れ、すべてのものに対して敵意ない人は、まさに私に至る。アルジュナよ。」


■逐語訳(一文ずつ)

  • 「私のための行為をし」
     → 自己の利益のためではなく、神(または崇高な目的)のために行動する者。
  • 「私に専念し」
     → 他の目的に心を奪われず、一途に神(クリシュナ)への帰依を保つ者。
  • 「私を信愛し」
     → 心から愛し、深く信じ、自然と献身的な態度で接する者。
  • 「執着を離れ」
     → 結果や所有欲、自己中心的な願望に囚われない精神状態。
  • 「すべてのものに対して敵意ない人」
     → あらゆる存在を敵とせず、偏見なく平和に接する人格。
  • 「まさに私に至る」
     → そうした生き方をする者は、神と一体となり、最高の境地(モークシャ)に達する。

■用語解説

  • 行為(カルマ):仕事や日々の行動そのもの。目的が「自分」ではなく「神」や「公」のためであることが重視される。
  • 専念(マットパラ):最も大切な対象として、心を完全に向けること。
  • 信愛(バクティ):思慕・信頼・愛を含む総合的な帰依の心。
  • 執着を離れる(ニラママ):自分のものだと固執する思いを捨てた状態。
  • 敵意のない人(サルヴァ・ブータ・ヒテ・ラタハ):他者に害意を持たず、万人に幸福を願う姿勢。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは言う:
「自分の行いを私のために捧げ、他のことに心を乱されず私に一途であり、
私を深く愛し、何ものにも執着せず、誰に対しても敵意を持たない者――
そのような人物こそ、まさしく私と一体となることができるのだ。アルジュナよ。」


■解釈と現代的意義

この節は、『バガヴァッド・ギーター』の信愛思想(バクティ・ヨーガ)の総まとめとも言える箇所です。
求められているのは形式ではなく、実践としての愛・誠実さ・心の清らかさ・寛容さ
神への道は、純粋な動機、誠実な行動、そして慈しみの心を持った人間性によって開かれるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と適用例
ミッションドリブンな行動「自社のため」ではなく、「社会にどう貢献するか」という視点で日々の行動を選ぶ。
信念を持った集中他の誘惑に惑わされず、志やビジョンに忠実であり続ける力が組織やブランドを形作る。
利己心のない人間関係成果や見返りではなく、仲間・顧客・パートナーを心から思って行動できる人が信頼を築く。
平和な組織文化敵味方に分けるのではなく、全員を味方と見る態度が、対立を越えた協働を生む。

■ビジネス心得まとめ

「心を清くし、全方位に善意をもって行動する者に、真の成功は訪れる」


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