基本方針は、企業経営における最も重要な指針であり、会社が進むべき方向性を明確に示すものである。これを明確に定めることで、経営の一貫性が保たれ、具体的な戦略と行動計画を構築する基盤となる。
本稿では、基本方針の柱として掲げるべき内容から、それに基づいた事業構造や個別方針の策定までを整理する。
基本方針とは
基本方針とは、事業経営の最も根本的な指針であり、これによって会社の進むべき方向性を明確にするものである。
これを明確に定めることで、経営の一貫性が保たれ、具体的な戦略と行動計画を構築する基盤となる。
冒頭に必ず掲げる2つの内容
私は、基本方針の冒頭に次の二つを掲げることを推奨している。
- 顧客第一主義
顧客を最優先に考え、顧客満足を経営の中心に据える姿勢を明確にする。 - 重点主義
経営資源を重要な分野に集中させ、選択と集中によって効率的な事業運営を目指す。
この二つを基本方針の柱とすることで、経営の方向性が具体的かつ実践的に定まる。
どちらも「経営戦略篇」で詳しく説明したので、ここでは内容をそちらに譲るが、私が強調したいのは、これら二つがどの会社にとっても最重要な要素でありながら、実際には最も弱い部分であるという点である。
この弱点を克服することこそ、経営の基盤を強固にするための第一歩である。
それ以降は事業構造について
上述の二つの基本方針を踏まえ、次に検討すべきは「事業構造」である。
具体的には、どの事業に注力するのか、どの事業を淘汰していくのか、市場活動をどのように展開するのか、供給体制をどのように組み立てるのか、といった内容が中心となる。
個別方針へ
その上で、基本方針を基盤にしながら、より具体的な分野ごとの個別方針を策定する。これには、商品、販売、得意先、内部体制といった各分野での明確な指針を示すことが含まれる。これにより、全体の方向性が具体的な行動計画へと落とし込まれていく。
まとめ
基本方針は、企業が長期的に成功するための最も重要な羅針盤です。特に「顧客第一主義」と「重点主義」を柱とし、それに基づいて事業構造を設計し、具体的な個別方針を策定することが求められる。
これにより、経営全体の方向性が明確化され、全社が一体となって効率的かつ効果的に行動する基盤が整う。
企業の弱点を克服し、経営基盤を強化するためには、このプロセスを徹底することが不可欠である。
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