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目標貸借対照表の重要性
目標貸借対照表を作成することで、事業運営の明確な目標を設定できます。
しかし、設定した目標を管理せず放置してしまえば意味がありません。管理の鍵は、期末に結果を確認するだけではなく、期中に定期的にチェックを行い、必要な対策を講じることです。
試算表と目標バランスシートの活用
試算表は期中の管理において重要なツールです。
ただし、試算表には細かい勘定科目が記載されており、使いにくい場合があります。このため、目標バランスシートを活用する方が実用的です。
具体的な運用方法
目標バランスシートの「期中増減」欄を活用する
毎月、「期中増減」欄に短冊状の紙を貼り付け、そこに月次試算表から要約した数値を記入します。
比較と分析
期首残高、月末残高、目標値を並べて比較します。
数値が目標から外れている場合、その原因を迅速に特定します。
対策例
- 売掛金や受取手形が目標値を上回っている場合、回収状況の悪化が原因と考えられます。この場合、即座に回収を強化する指示を出します。
- 売上が目標を下回っているにもかかわらず、支払手形や買掛金が増加している場合、在庫が増加しているリスクがあるため、在庫管理を見直します。
試算表を経営情報に変える
試算表は多くの企業で作成されますが、単体では経理上の情報に過ぎません。これを目標バランスシートと対比させることで、経営に必要な情報へと変えることが可能です。
経営者の視点の変化
- B社長の感想: 「目標と対比することで、自分がいかに愚かな金の使い方をしていたかが分かり、今では異常を即座に把握できるようになりました。」
- F社長の感想: 「月次試算表だけでは資金繰りの苦しさの原因が分からなかったが、目標と対比することで在庫増加や売掛金の増大が原因であることが理解できました。」
結論
目標貸借対照表を活用することで、期中の異常を早期に発見し、迅速な対応が可能となります。これにより、試算表を単なる経理情報から、事業運営に役立つ経営情報へと昇華させることができ、経営者にとって欠かせないツールとなるでしょう。
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