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真の偉大さは、畏敬と賛嘆の両面を呼び起こす


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■引用原文(第11章 第21節)

アルジュナは言った:
「実にあの神々の群はあなたの中に入る。ある者たちは恐れ合掌して称讃する。
大仙とシッダ(成就者)の群は、『幸あれ』と言って、多くの讃歌によりあなたを讃える。」
―『バガヴァッド・ギーター』第11章 第21節


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • あの神々の群は、まさにあなたの中に入ってゆきます。
  • 恐れを抱きつつ、合掌してあなたを賛嘆する者たちもいます。
  • 偉大なる聖仙(リシ)や成就者(シッダ)たちは、「幸あれ(クシェーマ)」と称えつつ、
  • さまざまな讃歌(ストートラ)によってあなたを讃えます。

■用語解説

用語解説
神々の群デーヴァたち。自然や宇宙の力をつかさどる神々。彼らですら神の偉大さに吸収される。
恐れ合掌畏怖と尊敬の混じった態度。神に対する最大限の礼拝の形。
大仙(マハーリシ)高度な霊性を持った聖者。聖典の詠唱者・創造者として古代から崇敬されてきた。
シッダ苦行やヨーガを通じて「成就」に至った者たち。超常の力を持ち、神に近い存在とされる。
幸あれ(クシェーマ)安寧・安全・繁栄を祈る言葉。神への讃嘆の中に含まれる祝福。
讃歌(ストートラ)神の徳を称える詩句や祈り。ヒンドゥー教において日常的に唱えられる。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは、神々でさえも主クリシュナの神性の中に吸い込まれるのを目の当たりにする。
恐れを感じながらも、合掌し礼拝する者たち。大仙やシッダたちは「幸あれ」と称えながら、
神の偉大さを詩や讃歌で賛美する――その姿に、神の威光と、それに対する宇宙全体の礼拝の姿が描かれている。


■解釈と現代的意義

この節は、「本物の偉大さ」はただ敬われるだけでなく、
畏れと賛嘆の両面を引き出すことを示しています。
その存在があまりにも高次であるがゆえに、
人々は自然と頭を下げ、祈り、賛美の声をあげるのです。
現代社会でも、「真のカリスマ」は、優しさと威厳を兼ね備え、
人々の「心の深層」を動かす力を持っていると言えるでしょう。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
カリスマ的リーダーシップ真に優れたリーダーは、単に人気を集めるのではなく、人々が自然と敬い、耳を傾けたくなる存在である。
信頼と畏敬の両立部下や取引先に対して、優しさと厳格さの両方を持つことで、尊敬され、信頼される存在になれる。
ブランド力の本質ブランドやサービスが「賛嘆され、信頼され、恐れられる(真剣に扱われる)」存在になることで、市場での確固たる地位を築ける。

■心得まとめ

「恐れと尊敬が交差するとき、真のカリスマが生まれる」

ただ慕われる存在ではなく、畏怖をも抱かれる存在――
それが本当の意味での偉大さである。
リーダー、ブランド、思想、いかなるものも、
その“圧倒的な本質”が伝わるとき、人々は自然と礼拝の心を持つようになる。
ビジネスにおいても、賛嘆と畏敬を集める存在は、揺るがぬ信頼を勝ち得るのです。

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