MENU

自覚と実践こそが、心を清める


目次

■引用原文(『ダンマパダ』第二一章 第二九三偈)

常に身体(の本性)を思いつづけて、為すべからざることを為さず、為すべきことを常に為して、心がけて、みずから気をつけている人々には、もろもろの汚れがなくなる。
――『ダンマパダ』 第二一章 第二九三偈


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • 「常に身体(の本性)を思いつづけて」
     ――肉体が無常であり、朽ちるものであることを常に意識し、
  • 「為すべからざることを為さず」
     ――悪しき行為・不道徳・煩悩に基づく行為を避け、
  • 「為すべきことを常に為して」
     ――道徳的・霊的修行、自己の務めを継続的に実行し、
  • 「心がけて、みずから気をつけている人々には」
     ――注意深く、内省を怠らず、自己規律を守って生きる人には、
  • 「もろもろの汚れがなくなる」
     ――心の穢れ(煩悩・カルマ)が除かれ、清浄な境地に達する。

■用語解説

  • 身体の本性を思いつづける(カーヤ・サンニャー)
     身体は不変ではなく、老い・病・死を免れないものであるという無常観を持ち続ける瞑想的態度。驕りや欲望を抑えるための重要な仏教的観想。
  • 為すべからざること
     殺生・虚偽・盗み・怠惰など、仏教倫理における不善業。
  • 為すべきこと
     修行・瞑想・布施・誠実な生活・責任ある行動など、人格向上と智慧の実践。
  • 汚れ(マラ)
     煩悩・無知・怒り・貪欲など、心の曇りの原因となるもの。

■全体の現代語訳(まとめ)

身体の無常さをよく観察し、してはならぬことを避け、なすべきことを真剣に実践して、常に自己を律して生きる人々には、心の穢れがなくなっていく。これは、仏道における「自己浄化の道筋」を明示する教えである。


■解釈と現代的意義

この偈は、「内省と実践の力」によってこそ、人は清らかさを獲得できると説いています。
多くの人が「どうすれば心が穏やかになるか」「どうすればよい人になれるか」と悩みますが、その答えは明確です。

1. 無常を忘れず、
2. 悪を避け、
3. 善を行い、
4. 注意深く日々を送ること。

つまり、これは「思考」「選択」「行動」「気づき」という、日常のすべてに関わる実践的な教訓です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
内省と節制成功や地位に慢心せず、自身の限界や身体の変化を意識することで、慎重さと謙虚さが育つ。
行動倫理ルールを守るだけでなく、「してはいけないこと」「すべきこと」を自律的に区別し、実行する能力が信頼を生む。
コンプライアンス意識自らの行動を常に振り返り、外的チェックがなくとも自制できる人材は、組織の健全性を支える。
継続する力一貫した誠実な実行力は、最終的に個人にもチームにも「信頼」と「浄化された成果」をもたらす。

■心得まとめ

「目覚めている者だけが、心を清められる」

肉体の限りを知る者は、驕らない。
悪を避け、善を選び、気づきながら行動する者は、
やがてすべての煩悩を離れ、澄んだ心に至る。
ビジネスでも同じく、驕らず、怠らず、誠実に実行する者が、最終的に最も清らかな信頼を勝ち取るのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次