implex1023– Author –
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市場の危険分散の度合はどうか
市場に対するリスクは、常に自社の事業構造における偏りに起因する。偏った構造は変化への耐性が低いためだ。 高度成長期には、どんな事業構造であれ、何をやっても十分に稼ぐことができた。しかし、石油ショックを経て高度成長が終わってからすでに五年が... -
内外作区分はどうか
前に「経営戦略篇」で「設備を持たないメーカー」の強みを述べ、本書では外注比率の増加が有利であることを数字を使って説明した。そして今、再び内外作の区分について取り上げることとなる。それほどまでに、外注を活用することは企業にとって極めて重要... -
支手回転率はどうか
企業は支えがなければ不渡り手形を出すこともなく、倒産も起こりえない。ところが、この単純な事実が現実では驚くほど理解されていない。 いったい何が原因なのだろうか。一つには、高度成長期に培われた支えに対する感覚の麻痺が挙げられる。もう一つは、... -
賃率はよいか
賃率とは「単位時間あたりに直接工が生み出す付加価値」として定義されるが、業種によってはこれを「単位あたり工賃」として扱う場合もある。以下では、単位あたり工賃についても賃率として表記していく。 例えば、溶接では溶接長を基準にして「1センチあ... -
原価計算は誤っているのではないか
多くの企業が原価計算を実施している。「原価を正確に把握しなければ、事業運営を誤る」という経営者の意向によるものだろう。しかし、その意向は本当に実現されているのだろうか。 多くの場合、その計算は伝統的な原価計算の原則に従って経理担当者によっ... -
変動費と固定費
本題に入る前に押さえておきたいのは、会社の数字における最も基本的なポイントが「売上から原価を引いたものが損益」であるという点だ。この原価は、大きく分けて変動費と固定費の二種類に分類される。そして、すべての原価は必ずこのいずれかに当てはま... -
スキー宿の原価計算
原価計算の実態を明確にするために、極端なケースを取り上げてみる。たとえば、あるスキー宿を想定する。この宿には、スキーシーズン中は月に300人の客が訪れるが、オフシーズンになると月に30人しか来ない。宿泊料金は1泊1000円だ。 月間の固定費は60,000... -
スキー宿の収益増大策
スキー宿の固定費は月額6万円で一定なので、収益を増やす方法を考える際には固定費を考慮する必要はない。むしろ固定費を気にしてはいけない。 固定費が一定である以上、利益を増やすには収益を増やす以外に選択肢はない。 理由は単純で、収益から固定費を... -
部門別損益計算というが
第4表の例題をもとに説明する。本社工場と分工場を有するある会社について、X期とY期の損益計算を比較したものだ。この計算は、企業会計原則に忠実に基づいて行われている。 この表では、製造原価が変動費と固定費に分けられている。変動費は原材料費に加... -
商品別の収益比較はできるか
原価計算の方法と限界 商品の一個あたりの利益がどれくらいかは、多くの経営者が最も関心を寄せるテーマの一つだ。そのため、商品ごとに原価を算出し、売価との差を計算するという手法が用いられる。 ところで、この方法で本当に一個あたりの利益を正確に...