implex1023– Author –
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開発部門は独立させ、社長直轄とせよ
ある会社の社長から、「新商品の開発が全く進んでいないが、どうしたらいいだろうか」と相談を受けた。話を詳しく聞いてみると、技術部長がその開発を兼任しているらしい。兼任でうまくいかないのは、むしろ当たり前のことだと言える。 現事業と未来事業を... -
開発方針の決定は社長の役割り
T社長から「一倉さん、うちの開発部門がどうにも動きが鈍くて困っている。ぜひ指導してほしい」と依頼を受けた。そこで、「まずは開発部門の皆さんと直接話をさせてもらいたいと思います。ただ、その前に社長の方針をしっかり把握する必要がありますので、... -
開発方針をつくる
T電気は中堅の重電メーカーで、他社には真似できない製造技術を誇るだけでなく、新製品の開発でも実績を積み重ねている。開発部門には試作工場があり、研究員たちが自らのアイデアや設計をここで形にしている。この手法自体は珍しいものではないが、同社の... -
プロジェクトチームを編成する
M社を訪問した際、社長は開発が予定通り進まないことに頭を抱えていた。開発部には約10人のメンバーが在籍しており、それぞれが複数の開発テーマを抱えながら、営業部門から次々と持ち込まれる要求に対応しきれずに苦戦していた。この状況を受け、私は以... -
定期的チェック
新商品の開発においては、まず開発部門を独立させることが出発点となる。その上で、明確な開発方針と目標を定め、プロジェクトチームを編成し、責任者となるマネージャーを配置する。さらに、プロジェクト計画書を作成させ、それを正式に承認するプロセス... -
規格化を行う
サーミスタやバリスタといった温度感知型半導体を専門とするS社を訪問した際、膨大な種類の商品に驚かされた。その数はおそらく数千にも及ぶだろう。この多品種体制の影響で、販売や生産、在庫管理といったあらゆる業務に問題が発生している状況だった。な... -
新技術を活用する
第四章で述べたアキタのVプロセスは、単に画期的な新技術というだけでなく、その応用方法の卓越さが際立っている。その仕組みは、まさに完璧に近いものと言えるだろう。 私がVプロセスの話を久保社長から聞いた際、最初に投げかけた質問は「周辺特許はいく... -
単品では事業になりにくい
新商品の相談に訪れる企業のほとんどが、単品の商品だけを持ち込んでくる。その多くが日用品や雑貨に分類されるものだ。 日用品雑貨にあまり興味を惹かれないことについては、すでにク王様のアイディアクで触れているが、人間というものはどうしてこうも型... -
多量販売の悪夢からさめよ
多くの中小企業が、収益性を高めようとして「多量販売」に依存しがちですが、これは必ずしも利益を最大化する道とは言えません。むしろ、大規模市場や低価格商品に飛び込むことは、激しい競争や薄利多売という厳しい状況に追い込まれやすく、事業の存続す... -
タイミングはよいか
東芝が開発した自動炊飯器は、現在では生活必需品として広く普及しているが、その起源は昭和初期にさかのぼる。当時、この技術は一度世に出されたものの、結果として失敗に終わっている。また、松下ではこれを「電気釜」と名付けた点にも両社の特徴が現れ...