implex1023– Author –
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必死の合理化も空し
業績が低迷しているからといって、何もせずに放置してきたわけではない。数年前から、これまでとは異なる新たな施策を講じてきた。かつては勘や経験に頼って対応し、それで十分事足りていた。しかし、今後はそれだけでは通用しないと考え、科学的な経営を... -
工程管理には生産能力を高める力はない
話を進める前に、F社で進めてきた合理化について少し考察を加えてみる。コンベアシステムを用いた能率化の効果やその限界については、「能率主義の危険」の項で既に触れているため、ここでは工程管理や外注管理に焦点を当てることにする。 問題となるのは... -
観念的組織管理論にまどわされるな
組織論は経営学の中で特に重要な分野の一つとして位置づけられている。このため、数多くの人々によって熱心に議論が重ねられてきた。 しかし、従来の組織論は、人類が古くから築いてきた組織形態、例えば軍隊、学校、宗教団体といったものを基盤としている... -
製品分析は何を物語ったか
話を元に戻す。手伝いを引き受けた自分は、財務分析をそこそこに切り上げ、製品分析に取りかかった。これまでの社長の説明を聞く限り、従来の対策では会社の生命線である「製品」にまったく手がつけられていないことが明らかだったからだ。 従来の対策は、... -
社長の断は下る
このような分析と考察の結果を社長に提示し、業績回復のためには「製品以外の何をどう改善しても解決できない問題である」ことを伝えた。 取るべき策としては、低収益の四品目を切り捨て、それに代わる収益性の高い新製品を開発することであり、それ以外に... -
信じられないような業績回復
F社は社長の決断によって、革新への第一歩を踏み出した。社長と自分が役割を分担し、このプロジェクトに取り組んだ結果、わずか四カ月後にはその目標を実現するに至った。新製品の立ち上げに四カ月を要すること自体、特別なことではない。それは当然のこと... -
「捨て去る」ことこそ革新の第一歩
製品は時とともに古び、売上の拡大が難しくなる一方で、収益性も低下していく。この状況が企業業績の悪化を引き起こす主要な要因となる。古びた製品を手放すかどうか、その判断が企業の業績を大きく左右する。そして、その決断を下すのが経営トップである... -
成果は製品にある
F社のもう一つの教訓は、「捨て去る」という決断とは異なる側面から、企業にとって非常に重要な示唆を与えている。 つまり、企業の成果は製品そのものから生まれるものであり、合理的な生産方式から得られるわけではないという点だ。これこそが、経済的価... -
製品分析はこうして
実践者が行う製品分析は、理論の追求や観賞目的のためではなく、自社の利益や目的のために行われるものだ。その分析は素朴で簡潔であることが求められ、「使いやすさ」を最優先に据えるべきだ。理論に偏りすぎたり、過度に精巧さを追求すると、かえって実... -
製品分析の威力はどのようなものか
この実例集が示すように、製品分析は企業の本質的な収益性を把握し、改善のための具体的なアクションを取る上で極めて強力なツールです。 第一話の例では、会社内で「ドル箱」としての認識が全くなかった収益性の高い製品が見つかりました。結果、製品の認...