implex1023– Author –
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社長とは会社の将来の方向を決める人である
「社員が残業している時、いつも社長室に明かりが灯っている。」 これは、ある社長を称える記事に記された一文だ。しかし、こうした姿勢が本当に名経営者の条件と言えるのだろうか。確かに、社長の人間味や美徳が感じられる一面ではある。 しかし、こうし... -
だれか経営学を知らないか
社長という役職は、本当に大変なものだと感じる。見方によっては、最も割に合わない仕事かもしれない。そんな社長たちと常に向き合い、相談役としてサポートするのが自分の仕事だ。 社長の苦しみや迷い、忙しさ、孤独――そういったものを肌で感じ取るのが自... -
経営学は雑論
現在、一般的に「経営学」と呼ばれているものは、その本質から大きくかけ離れている。故・新居崎邦宣氏の言葉を借りるなら、「ベストセラーとなった経営学の入門書を通して読んでみたが、そこには経営学の本質を示すものは何もなかった。記されているのは... -
真の経営学とは
企業は国民経済の一部として存在し、国民経済はさらに世界経済の一部として成り立っている。それらの変化は企業にとって極めて重大な影響を及ぼす。客観的な状況の変化に対応できなければ、企業は破綻を余儀なくされるのは避けられない。 客観的な情勢の変... -
S社社長の苦悩
S社は、オートバイ部品の加工およびサブアッセンブリーを手がける企業だ。従業員数はおよそ250人。社長は加工技術のエキスパートであり、常に作業着姿で現場に立ち、合理化に取り組んできた。その結果、生産設備や加工技術、同期化編成のいずれにおいても... -
業績悪化の原因はどこにあったか
これとは別に、六カ月分の資金繰り表を作成してもらった。その結果、六カ月間の資金不足額が平均月商に匹敵するほどの規模であることがわかった。この深刻さについては、自分の会社に置き換えて考えれば、容易に想像できるだろう。 金融機関からの借り入れ... -
能率病が会社をつぶす
能率は企業の業績を向上させる強力な手段であることに疑いの余地はない。 戦後、アメリカで発展した能率技法が次々と紹介され、それを導入することで一定の成果が得られたのも事実だ。しかし、その結果として能率の力が過大評価され、限界への理解が欠けた... -
政策転換を勧告する
S社の業績低下の原因を分析し、その実証データに基づき、政策の転換が急務であることを指摘した。具体的には、能率主義や生産重視の経営から、収益重視・営業重視の経営へと舵を切らなければ、会社の存続が危うくなることを強く訴えた。 具体策として、以... -
高収益の受注作戦展開
最初に必要なのは、能率至上主義を手放し、効率を重視する方向へ切り替えることだ。どれだけ生産性が高くても、作られる製品が利益を生み出さなければ意味がない。 だからこそ、収益性の高い製品を選んで受注するべきだという話になる。とはいえ、収益性の... -
値上げ要求は経営者の仕事
次に、需要のない製品に対する値上げ要求についてだ。当初この案を持ち出した際、社長は「そんなのは論外だ。そんな提案をしても値上げなんて絶対に受け入れられるわけがない、無駄だ」と一蹴したのだ。 しかし、それは誤解だ。値上げが実現しない可能性が...