implex1023– Author –
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公害防止の姿勢は正しいか
いつのことだったか記憶は曖昧だが、梅雨の終わりに集中豪雨が襲い、長崎市で大きな災害が発生した年の話だ。同じ時期、奈良市でも集中豪雨が降り、床上浸水するほどの被害が出た。水没して動かなくなった自動車が数多く発生し、メーカーの営業所や整備工... -
ハンコとギンコーは大丈夫か
0社の倒産は、業界全体の不振が直接的な原因だ。しかし、本質的な原因はそこにはない。実際の問題は、社長が銀行印を経理担当の常務に預けていたことにある。 その常務はゴルフ場の建設をサイドビジネスとして進めており、その支払いに充てるために勝手に... -
後継者をどうするのか
P社長には二人の息子がいる。しかし、どちらにも会社を譲るつもりはないという。その理由は単純だ。二人ともそれぞれ優れた資質は持っているものの、経営者としての適性には欠けているからだ。永続的に存続すべき会社としての社会的責任を考えると、自ら築... -
多くの人びとは環境整備のことをよく知らない
「塵を払わん、垢を除かん」という言葉は、何ひとつ覚えられないシュリハンドクに、お釈迦様が授けたものだ。この言葉を繰り返しながら掃除を続けた彼は、やがて誰にも負けない「悟り」を手にした。掃除に没頭する中で、心に溜まった塵や垢までも取り払う... -
江田島
数年前、親しい社長仲間十数人と一緒に江田島の自衛隊幹部候補生学校を訪れた。かつて日本海軍の兵学校だった場所だ。自衛隊では民間人の見学を積極的に受け入れているとのことだった。案内役を務めてくれたのは、元旧海軍の中佐だった人物だ。 正門から奥... -
タンクローリーの注入口に封印をする
M社はタンクローリーを使ってN社の食品を輸送している。タンクローリーはもとより、車庫、事務所、排水溝に至るまで、一切の汚れを許さない徹底した環境が整えられている。 運転手たちは仕事を終えて帰社すると、大雨だろうが雪が降ろうが雨具を着込み、休... -
町内の清掃をする
P社で環境整備を進めた際の話だ。初めのうちは社長や役員と一緒に社内を巡回しながらチェックを行った。採点してみた結果、初回としては意外にも健闘しており、100点満点中20点だった。多くの会社では初回は5点程度が一般的で、中にはマイナス5点というケ... -
外国の会社と一回で契約成功
K社は鋳造工場だ。熱海から川崎駅までの移動中、K社長に環境整備の話を持ちかけたのは、熱海セミナーの帰り道のことだった。それから数か月後、K社長から感謝の言葉をもらい、驚いた。 私の勧めで環境整備を徹底的に進めた結果、会社が生まれ変わったとい... -
ヨカトピアのシンボルタワーで
S社は、とあるサッシメーカーの下請け企業だ。福岡市で「ヨカトピア」という名の博覧会が開催された際、親会社がシンボルタワーのサッシ工事を受注し、その製作をS社に任せたという話だ。 S社は、数年前から自分の提案で環境整備に本腰を入れて取り組んで... -
オーラの到達距離は四〇〇キロメートルか
初めてF社を訪問した際、工場のあまりの汚さに激怒し、「これじゃ赤字になるのも当然だ。会社を潰そうが売り払おうが好きにしろ」と、散々毒づいてその場を後にした。 それから一年ほど経ったころ、F社長から連絡があり、「一倉さんに叱られてから心を入れ...