implex1023– Author –
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すべての行いは、やがて己に還る(カルマ)
この世界には、確かに法則がある。それは物理の法則に限らず、行いとその結果に関する、目には見えぬ因果の法則もまた同じである。 良き行いには、安らぎと喜びが。悪しき行いには、苦しみや混乱が。どちらも、いずれ必ずその報いが訪れる。 これが「カル... -
立場に応じて道を選べ、いずれも真理に通ず。二つの道。
『バガヴァッド・ギーター』は、人生を通して「ブラフマンの知識」に至るための二つの道を示している。 アルジュナよ、この世には二種の立場があると、前に私は述べた。すなわち、知識のヨーガによるサーンキャ(理論家)の立場と、行為のヨーガによるヨー... -
静まった心にこそ、真理は映る
「あなたはアートマンである」「あなたはブラフマンである」この教えは、『バガヴァッド・ギーター』を貫く真理である。しかし、それを聞いたからといって、ただちに深い理解が訪れるわけではない。言葉で知ることと、体で腑に落ちることとの間には、大き... -
限りある自己を超えて、本来の自由に還る
人は、身体に生き、心を持ち、感情に揺さぶられている。日々変わる肉体の状態、心の波、感情の起伏。その変化の只中にいながら、まったく変わることなく在り続けているものがある。 それが、アートマンである。 アートマンは、痛みにも喜びにも染まらず、... -
変わるものに自分を置くな、変わらぬ本質に立て。アートマンに立脚せよ。
苦しみは、変わるものを「自分」だと信じるところから始まる。感情、心、外見、財産、役職――それらはすべて移ろい、壊れ、失われる運命にある。 「私は若々しい」と思えば、老いが恐怖となる。「私はこの車を持っている」と思えば、傷や盗難に怯えることに... -
移ろうものに自己を重ねれば、心もまた揺らぐ
人は知らず知らずのうちに、「自分でないもの」と自分とを結びつけてしまう。それが、感情や外見であれ、所有物や社会的地位であれ、自分の一部だと思い込んだ瞬間から、心は揺らぎはじめる。 たとえば、「私は若々しい」と思うならば、老いは自分の否定と... -
真の自己を見失うな
人は、自分ではないものを「自分」だと信じやすい。外見、地位、所有物、肩書、評価――それらはすべて一時的なものでありながら、人はそこに自分を重ねてしまう。 「私は若々しい」「私は社長である」「私はこれを持っている」。その言葉の裏には、「それが... -
感情に巻き込まれるな、真の自己を見よ
人は、感情とともに生きている。喜び、怒り、悲しみ、不安――出来事に応じて心は揺れ、波のように形を変える。 そのたびに「私は嬉しい」「私は苦しい」と表現し、その感情こそが「私」だと思い込んでしまう。 だが、アートマンの教えは語る。 「あなたは感... -
海と波
人はしばしば、自分という存在を限定されたかたちで捉えようとする。 名、立場、役割、性格――それらはまるで「波」の形のようなものである。 だが、その波はどこから生まれ、何によって支えられているか。 それが見えぬままに、ただ「自分は波だ」と思い込... -
小さき自己を超えて、宇宙とひとつになる(ブラフマン)
夜空に広がる星々は、果てしない宇宙の一部にすぎない。 秩序なく散らばっているように見えるそれらは、実のところ、緻密なリズムに従い、絶え間なく巡っている。 太陽が昇り、沈み、月が満ち欠けし、星が軌道を描く。その一つひとつが、見えざる法則に支...