implex1023– Author –
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この不完全な身でこそ、完全なる安らぎに至れ
引用原文(現代語訳) 病患になやみ、脆いこの臭穢の身体をもって、最上の安らぎ、無上の安穏に落ちつけよ。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足病患になやみ病気に苦しみやすい性質。身体の常態が不安定であることを強調。脆いこの臭穢の身体老い・死・不浄... -
その身体に、何を期待するのか──恐れと穢れの器にすぎない
引用原文(現代語訳) この身体に何の用があろうか?いつも臭穢を漏らし、たえず病いにおそわれ、老いと死におびえているのに。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足この身体に何の用があろうか?肉体そのものへの問いかけ。果たしてこれほど不完全な存在に執... -
命の灯が消えるとき、身体はただの藁である
引用原文(現代語訳) ああ、この身はまもなく地上によこたわるであろう。意識を失い、空ろで、藁のように、投げ棄てられて。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足この身はまもなく地上によこたわる死が差し迫っており、肉体が地に倒れ伏す様を表す。意識を失... -
美しさは幻、身体は壊れる器にすぎない
引用原文(現代語訳) この容色は衰えはてて、病いの巣であり、脆くも滅びる。腐敗のかたまりで、やぶれてしまうであろう。生命は終に死に帰着する。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足容色(ようしょく)美しい見た目、若さ、外面的な魅力のこと。衰えはて... -
残り水の中の魚──命は渇き、楽しみは幻となる
引用原文(現代語訳) ひとびとの命は昼夜に過ぎ去り、ますます減って行く。水の少ない所にいる魚のように。かれらにとって何の楽しみがあろうか。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足命は昼夜に過ぎ去り常に時間に侵食される命。昼も夜も容赦なく進行する。... -
命は流れる──動いても、止まっても
引用原文(現代語訳) 歩んでいても、とどまっていても、ひとの命は昼夜に過ぎ去り、とどまりはしない。河の水流のようなものである。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足歩んでいても、とどまっていても人が能動的に活動している時でも、静かに留まっている... -
時は灼熱の火、命はあぶられる魚のごとし
引用原文(現代語訳) ひとびとは昼も夜もそこなわれ、つねに過ぎ去って帰らない。魚が火あぶりにされているように、生死の苦しみを受けている。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足昼も夜もそこなわれ時間の流れとともに生命力が確実に削がれていく。肉体的... -
百年の命も、死の前には等しい
引用原文(現代語訳) たとい百歳を生きたとしても、終には死に帰着する。老いか、病いか、または死が、この人につきそって殺してしまう。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足百歳を生きたとしても長寿は一見、安定や成功の象徴に見えるが、死を免れるもので... -
老いは避けられず──だからこそ、美しさの本質を知れ
引用原文(現代語訳) なんじ、いやしき〈老い〉よ!いまいましい奴だな。お前はひとを醜くするのだ!麗わしい姿も老いによって粉砕されてしまう。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足なんじ、いやしき〈老い〉よ!老いを人格化し、敵対的に呼びかける形。強... -
朽ちる車と、朽ちぬ徳──語り継がれる人の道
引用原文(現代語訳) いとも麗わしき国王の車は朽ちてしまう。身体もまた老いに近づく。しかし善い立派な人々の徳は老いることがない。善い立派な人々は互いにことわりを説いてきかせる。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足麗わしき国王の車王権・富・名声...