implex1023– Author –
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欲望は常ならず、執着が生を縛る
📜 引用原文(日本語訳) 八人間のうちにある諸の欲望は、常住に存在しているのではない。欲望の主体は無常なるものとして存在している。束縛されているところのものを捨て去ったならば、死の領域は迫って来ないし、さらに次の迷いの生存を受けるこ... -
美は罪ではない。欲する心が、迷いを生む
📜 引用原文(日本語訳) 七世間における種々の美麗なるものが欲望なのではない。欲望は、人間の思いと欲情なのである。世間における種々の美麗なるものはそのままいつも存続している。しかし思慮ある人々は、それらに対する欲望を制してみちびくの... -
心の鎖は、鉄より重い
📜 引用原文(日本語訳) 五、六*鉄や木材や麻紐でつくられた枷(かせ)を、聖者たちは堅固な縛とは呼ばない。心が愛欲に染まり、愚鈍な人が妻や子にひかれること――これが堅固な縛であると、聖者たちは呼ぶ。それはあらゆる点で極めて堅固であって... -
甘き果実の中に、灼熱の炎が潜む
📜 引用原文(日本語訳) 四果実が熟したならば、尖端は甘美であるが、喜んで味わってみると辛い。愛欲は愚かなる者どもを焼きつくす。たいまつを放さない人の手を、たいまつが焼くように。 📖 逐語訳(意訳含む) 熟した果実の先端は、見た... -
快を追えば、苦も追ってくる
📜 引用原文(日本語訳) 三*快楽から憂いが生じ、快楽から恐れが生じる。快楽を離れたならば、憂いが存在しない。どうして恐れることがあろうか? 📖 逐語訳(意訳含む) 「快楽は、やがて憂いをもたらす。」 「快楽は、やがて恐れをもた... -
欲を離れれば、恐れは消える
📜 引用原文(日本語訳) 第二章 二欲情から憂いが生じ、欲情から恐れが生じる。欲情を離れたならば、憂いは存しない。どうして恐れることがあろうか。 📖 逐語訳(意訳含む) 「欲情があるところに、憂いが生まれる。」 「欲情があるとこ... -
思いを断てば、愛欲は影を消す
📜 引用原文(日本語訳) 第二章 愛欲一愛欲よ。わたしは汝の本を知っている。愛欲よ。汝は思いから生じる。わたしは汝のことを思わないであろう。そうすれば、わたしにとって汝はもはや現われないであろう。 📖 逐語訳(意訳含む) 「愛欲... -
誰も代わってはくれない──死はすべてを超えて訪れる
引用原文(現代語訳) 子も救うことができない。父も親戚もまた救うことができない。死におそわれた者にとっては、かれらも救済者とはならない。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足子・父・親戚血縁・愛情・信頼・支えの象徴。いかに親しい者であっても、死... -
執着のうちに眠る者、死の洪水にさらわれる
引用原文(現代語訳) 子どもや家畜のことに気を奪われて心が執著している人を、死は捉えてさらって行く。眠っている村を大洪水が押し流すように。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足子どもや家畜愛情や所有の対象。「家族」や「財産」を象徴し、人の最も深... -
未来を慮るあまり、“今”の死を忘れるな
引用原文(現代語訳) 「わたしは雨期にはここに住もう。冬と夏にはここに住もう」と、愚者はこのようにくよくよと慮って、死が迫って来るのに気がつかない。 逐語訳と用語解説 表現解釈・補足雨期・冬・夏年間を通した住居計画=人生設計のメタファー。愚...