MENU

欲望は常ならず、執着が生を縛る


目次

📜 引用原文(日本語訳)


人間のうちにある諸の欲望は、常住に存在しているのではない。
欲望の主体は無常なるものとして存在している。
束縛されているところのものを捨て去ったならば、
死の領域は迫って来ないし、
さらに次の迷いの生存を受けることもない、と、われは説く。


📖 逐語訳(意訳含む)

  • 人間の中にある欲望は、変化せずにずっと存在しているものではない。
  • 欲望の主体(=執着する「私」)も、また無常であり、移ろいゆく存在である。
  • このように束縛されているもの(欲・執着)を断ち切ったならば、
  • 死という輪廻の苦しみは近づかず、
  • 再び迷いのある生(輪廻)を受けることもない。
  • 私はそのように説く。

🧩 用語解説

  • 常住(じょうじゅう):永遠に変わらず存在すること。仏教では否定される概念。
  • 無常(むじょう):すべての存在は変化し続け、永続しないという真理。
  • 束縛:欲望や執着により、自由な精神を失った状態。
  • 死の領域:死後の苦、または生死を繰り返す輪廻の世界。
  • 迷いの生存:無明(真理への無知)に基づく新たな生の苦しみ(=輪廻転生の連鎖)。

🪞 全体の現代語訳(まとめ)

人間の中にある欲望は永遠ではなく、絶えず移ろいゆくものだ。そして、その欲望に執着する“私”という意識そのものもまた、無常である。だからこそ、執着のもとを断つことができれば、苦しみの輪廻から解放される。「死」を超え、「再び迷う生」に堕ちることもない。それが真理であると仏陀は説く。


🧠 解釈と現代的意義

この章句は、「欲望も自我も、変わりゆくものにすぎない」と明確に指摘します。現代人は「自分の欲望」や「自分自身」に固い同一化を持ちがちですが、その固定された“自己イメージ”こそが、苦しみの根本原因です。この章は、それらを「本質的には無常」と理解することによって、苦しみの連鎖(心理的輪廻)から解き放たれることができると教えてくれます。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
変化への柔軟性「欲しい」「こうでなければ」という固定観念が、新しい状況への対応を妨げる。無常を受け入れることで進化できる。
アイデンティティの更新過去の成功体験や肩書に固執することが、次の成長を妨げる“輪廻”となる。時に手放す勇気が必要。
ストレスとの関係欲求が満たされないことで生じる苦しみは、「それも一過性である」と捉えることで軽減できる。
長期ビジョンの形成一時的な欲や市場の浮き沈みに振り回されず、より根源的な価値に基づいた経営判断を行う。

🧭 心得まとめ(座右の銘風)

「欲も自我も、波のごとし。執着せねば、苦しみは消える。」
変わりゆくものに心を縛られてはならない。
離れゆくものは追わず、変わるものには抗わず。
そこに、真の自由がある。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次